53.エレキギター初級 ◎各部の名称(7)

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ギターパーツや部位は独特の呼び方や略称、通称などがあり、メンテナンスの記事などを読む際に覚えて置くと理解がスムーズかと思います。

52(6)の続きです。

◎ヘッド

ネックの先端にあり弦を巻いてあるポストが装着された部分を「ヘッド」と言います。

多くの場合ブランドロゴがあしらわれておりギターの「頭」というより「顔」と言って良い部分です。

ほとんどのギターに存在しますがスターンバーガー社、ライセンス生産のホーナー社のギターにヘッドレスギターという機種もあり弦を巻く部分はボディ側にあります。

この形の利点は全長が短くなることです。

全長が短くなっているのでよりコンパクトさを追及するためボディも極端な小型なシェイプが採用されています。

◎ペグ

おおむねヘッド側にあり弦を巻いているパーツを「ペグ」と言います。

レスポールタイプの様に左右3つづつ付いている状態を「3×3」「3対3」などと表記します。

ストラトキャスタータイプの様に片側に並んだタイプを「6連」と表記され、片側6連にも右6連、左6連があります。

中古などで袋にごちゃ混ぜで入っているものは左右違うものが2種計3個づつか同じものが6つかが注意が必要です。

ペグ自体も形が様々ですので基本的には新品で対応機種を十分に確認して購入する事をお勧めします。

さらに特殊な例として5・6弦―4~1弦など2対4、1対5など変則的な振り分けのペグもあります。

ペグ本体のほか弦が巻いてある柱は「ペグポスト」と呼びます。

調弦するために指でつまむ部分を「ペグボタン」と言い操作性や見た目の変化に貢献しています。

ペグボタンは金属製、プラスチック製のほかエボニーなどの木材やマザーオブパール(M.O.P.)など天然貝の切削などもあり、高級感の演出にも一役買うものでもあります。

●ペグの種類

ペグには大きな分類で2種類あり「グローバー(=ロトマティック)タイプ」

と「クルーソンタイプ」です。

「グローバー」「クルーソン」は社名でありほとんどのコピー商品がこの2社のコピーです。

グローバーは重く大きく精度が高いのが特徴です。対してクルーソンは軽量です。

グローバータイプにはペグのトルク調整できるネジが付いていて本来トルク調整のために設定されたネジではありませんがこのペグの特徴となっています。

そのほか弦をロックしてペグポスト上でのたわみなどを排除した「ロックペグ」が存在します。

ロックペグのオリジナルな外観のものもありますがオールドやビンテージ機種への違和感ない装着のためにクルーソンタイプの形状のロック式ペグも販売されています。

◎テンションバー

ヘッドには弦のテンションを稼ぐ目的でヘッドとネックの2つの間に角度が設けられているギターがあります。

最も代表的な機種はレスポールシリーズで製造年代によっても角度が異なりますが現代ではほぼ統一されています。

このヘッド角のないものの代表機種がフェンダー社のストラトキャスターです。

ヘッド・ネック材の歩留まりも良くなりますが弦のテンションは不足しがちなため「テンションバー」(形によっては「テンションピン」)と言う棒状のパーツがペグとナットの間にネジ留めされている、又はヘッドの真ん中付近の1・2弦間に1つ、場合によっては3・4間にもう1つと、1~2つ装着されています。

テンションピンにはM字型の「カモメ型」(波型)、円筒形の筒形、ローラー方、ボタン型などがあります。

事項記載のナットへの適正なテンションをかけるための意外と重要なパーツです。

◎ナット

弦を指板上からヘッド~ペグに導くゲートとなるのが「ナット」です。

素材も様々なものがあり音質にも影響しますが適正な負荷によるチューニングの安定性を担い、弦間ピッチも決定します。

過去記事「34.ナットの重要性」で詳しく述べていますが様々な役割のある大変に重要なパーツです。

「ロック式ナット」も存在しますがロックペグと違いそれ単体で存在し機能するものでは無く、「FRT(=フロイドローズ)システム」の1部品としてFRTブリッジとセットで機能します。

ちなみに調弦が面倒だからとFRT搭載ギターでロックナットのキャップを締めないまたは取り外す人がいますがロック式の利点を無くすだけでは終わらずナット上での弦の動きが悪くなり調弦上不利益が多くなります(そもそも弦を動かなくしているのがロックナットです。詳細は記事34.)。

◎最後に

名称解説は基本的な部分では以上となります。

すべて覚えておく必要もなく「聞いたことがある」程度にしておくだけでも理解が早まり、調整するなど触っていくうちに自然と覚えていくと思います。

個人的には自己調整や改造を推奨しています。

過去記事でも失敗しても元に戻せるものはチャレンジを推奨・簡単そうでも素人が触れるべきでないものは明記してきました。

最終的には自己の判断にはなりますがギターの理解を深めれば愛着も湧きますし、なによりさほど重要でない故障が起きたギターが間違った修復をされて本当に再起不能になったり、せっかく縁があって始めたギターが故障が直せなくて嫌になって二束三文で買いたたかれながら中古に売る、捨てられるなどが無くなって欲しいと切に思います。

多くのギタリストが楽しく趣味を続けられるようになることを祈るばかりです。

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