ギターの弦はなるべくまめに交換する事をお勧めしてきました。
(3.弦交換の頻度、14.弦交換の必要性)
プロでも新品でない方が良いと言う人もいますのである程度は好みもあるかとは思いますが、始めたばかりの人がご自身で考えるよりも交換の頻度は高い方が良いと思っています。
今回は巷に数多くの種類が販売されているギター弦の基本的な種類をお話ししていきます。
目次
◎弦の用語
◎弦の種類~素材
◎~形状
◎~太さ(ゲージ)
◎弦の用語
ご説明用に基本的な用語のみを解説します。
●弦の本数
エレキギターは8弦まである機種もありますが基本的には弦は6本です。
正面から見て左側、構えた時に上側の太い弦から6弦、5弦、4弦(以下略)と数えます。
●弦の呼び方
6弦から4弦は細い鋼鉄製の芯線(しんせん)にさらに細い線を巻いてある「巻き弦(まきげん)」と言う種類で作られています。
また演奏上のピッキング(ピックによって弾く行為)の位置や正面から見て左右どちらかを指す場合などこの3本を「弦」とよび正面左側を「低音弦側」と言ったりします。
対して3弦から1弦は芯線そのままで、巻き弦に対して「プレーン弦」と呼びます。
低音弦に対する呼称は「高音弦」です。
因みにエレキギター登場当初は6~3弦が巻き弦でした。
弦の片方は小さな円盤状の「ボールエンド」と言うパーツが弦の捩りによって付けられておりブリッジなどに引っかけて反対側をペグで巻いて調弦します。
ロック式(フロイドローズ)のギターではこのボールエンドはカットして使用します。
基礎用語は以上で太さや材質などは詳しく後述します。
エレキギター弦は構造上エレキ用として売られているものを使用してください。
アコギ用はパッケージにアコギの絵や写真が使われていているものばかりではないのでエレキギター用とまちがえないように気を付けてください。
また売り場に商品が多いと7弦ギター用なども紛れていますのでわかりやすく整頓された売り場でない場合は注意が必要です。
◎弦の種類~素材
エレキギターの弦の音を拾う「ピックアップ」は「磁石と幾重にも巻かれたコイル」から出来ています。
ピックアップが形成する磁界が、磁性体(磁石にくっつく性質のもの)である弦が振動によって乱れ、コイルに微弱な電流が生まれシールド通ってアンプで増幅され音が出ます。
このためエレキギターの弦は磁石にくっつく性質である「磁性体」である必要があります。
エレキ弦の場合は巻き弦(低音弦)に、鋼鉄製の芯線の周りを巻く素材にニッケル、ステンレスなどが用いられています。
ニッケルが最も一般的で他の素材に比べてですが柔らかめのサウンドになります。
ステンレスは演奏性やサウンドも好みはありますがシャープな出音でスムーズな演奏性です。
長期間張ったことがありませんが多くのフレットより硬い素材ですのでダメージが蓄積されやすいと思います。
素材はニッケルですが巻き弦にコーティングをして弦の寿命を延ばした「コーティング弦」というジャンルがあります。
「エリクサー」が有名ですが数社から様々な商品が販売されています。
価格は通常弦の3倍程ですが寿命はそれ以上に長くコスパの良い弦として人気があります。
寿命を延ばすコーティングのせいで弦に薄い膜がある様な状態の為音像にブライトさが少なくあくまで通常弦に比べてですがこもったような音になりそれを嫌うギタリストもいます。
コーティングによる持ちの良さと音像の明快さのバランスにより一番コーティングが厚く長寿命のPOLYWEB(ポリウェブ)、標準的で最も普及しているNANOWEB(ナノウェブ)、非コーティング弦に限りなく近づけたOPTIWEB(オプティウェブ)がラインナップされています。
◎形状
巻き弦の形状により違いがあります。
「ラウンドワウンド」
芯線に断面の丸い素材を巻いた構造の巻き弦を指します。
最も普及しているオーソドックスな形状で手触りは凸凹しています。
倍音成分を多く含んでいてサステインにも優れています。
「フラットワウンド」
ジャズなどのジャンルで用いられる甘い音質の弦です。
芯線に巻かれている素材の断面が円ではなく半円で平らな面を外側にして巻かれている為表面はスムーズです。
後編に続きます。
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