26.◎エレキギター 〜ハウリング対策

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アンプから音を出してギターを弾いている時「ピー」とか「キーン」という不快な音が出る時があります。

これはハウリングと言いカラオケやイベントなどでマイクをスピーカーに向けるときに出る事でおなじみだと思います。

今回はハウリングの様々な原因とその対策についてお話ししていきます。

内容的に多少の前後がありますが、確認と実行がしやすい順番で記述しています。

目次 〜ハウリングの原因とそれぞれの対策
①ハウリングとは
②環境による原因と対策
③セッティングによる原因と対策
④エフェクターによる原因と対策
⑤ギター本体による原因と対策

①ハウリングとは

前書きでどんな状態かはお話ししましたが、その原因はギター本体の共振です。

アンプからの音がギター本体を共振させ、その音をピックアップが拾ってアンプへ…というループでハウリング音が大きくなっていきます。

言い換えれば共振しやすい箇所が多いほどハウリングを起こしやすくなるという事です。

この現象を意図的に演奏の手法として用いたものが「フィードバック」で、高音寄りの音ながらスィートな音質で魅力的な音でありエフェクターでそのサウンドを再現させるものもあります。

この「フィードバック」はアンプからの音で弦を共振させループさせています。

それでは各原因と対策を見ていきたいと思います。

②環境による原因と対策

環境とは立ち位置や向きです。

前書きの例でも上げました様に、ギターやマイクがアンプスピーカーの真正面で相対していたりご自身が直線上にいる場合はハウリングが起きやすくなります。

少し立ち位置をずらしたりアンプに背中を向けたりアンプとの距離を空ける、などがまず試したい対策です。

③セッティングによる原因と対策
音作り等とギター本体のセッティングが原因ですが対策を試みやすい音作りの方から見ていきます。

●まず音量が大きすぎる場合です。音を下げていけば共振を作っていた原因が無くなるのでハウリングは収まります。

しかしハウリングは収まったときが聞き取れなかったり仲間との練習中で自分の音が聞こえないくらい小さい音量であれば他の原因を探る必要があります。

●高音を上げすぎたイコライジングが原因
アンプのイコライザーやオンにしているペダル(エフェクター)のトレブル(高音)を下げてみます。

せっかくセッティングしたお好みの音を崩すのは残念ですがこれが原因であればその環境下では音作りを再考する必要があります。

●エフェクターの一種であるイコライザーもハウリング対策で用いられる例がありますが注意点は特定の音域だけを極端に下げると周りの帯域も下げる為全体の音量自体も下がる点です。

これは仕様であり仕方のない部分ですのでイコライザーのみで対応するよりも立ち位置、アンプのイコライジングと合わせてセッティングすると効果的です。

●同じくゲイン(歪(ひず)み)が多すぎる(歪みが深すぎる)事も同じ理由で原因となります。

歪みを抑え気味にして対応します。

●音量、歪み量ともに音が大き過ぎるのが原因ですので
・演奏している時以外はギター本体のボリュームポットをゼロ位置に回す
・ボリュームペダルを使って演奏が終わったら音量をゼロにする
のも効果的な方法です。

●カッティングなど演奏中で無音にすべき箇所が短い場合は、ギター本体のボリュームノブを右手小指で素早くゼロに回す→再演時は再度10やお好みの位置に戻すと言うテクニックでの対策もあります。

④エフェクターによる原因と対策
エフェクターのゲイン(歪み)や音量(「レベル」等と表記)が適切でない場合もアンプ音量と同じ理由で原因たりえます。

適切であるとは現在の環境下での事であり同じセッティングでハウらない環境もあり得る事は念頭に入れておいてください。

⑤ギター本体による原因と対策
ギター本体の共振にはセッティングが意図せず変わってしまった場合と、デフォルトの作りに起因する場合のそれぞれに原因があります。

●まずネジ等の弛みです。増し締めをしてみてください。

●ピックアップカバーと本体の乖離
レスポールの一部の様にカバー付きの場合はカバーとピックアップ本体に隙間が出来てしまった(あるいは元からある)場合にも共振が起こります。

ハウリングしている時にピックアップを指で押さえて鳴り止むのであればこれが原因です。

またピックアップ自体を叩くとコツコツと音がします。

これはハンダが使えればカバーを外して両面テープ等で固定するだけですがその作業をするのが難しい時はリペアショップに依頼する事になります。

●ピックアップ自体の固定
ピックアップと、本体やエスカッションの固定が甘い場合も共振が起こる場合があります。

ピックアップの下にスポンジを入れて共振を止めて対策します。

アンプからの出音がタイトになる傾向があります。

●スプリング等の共振
本来ある状態から意図せず変わった訳ではなくてもピックアップを留めているネジやスプリング等の共振が原因の場合もあります。

ネジやスプリングにゴムやスポンジを付けてみます。

こちらも出音が変わる場合があります。

●ピックアップ自体に隙間が多い
この場合は隙間に蝋を流し入れて硬め空洞や弛みが起こらない様にする「蝋付け(ワックスポッティング)」と呼ばれる作業です。

詳細は割愛しますが隙間に蝋を行き渡らせるには相応の道具と知識が必要で、他の対策を試みた上で楽器屋さんやリペアショップさんに相談し、これが原因か自体も含めて見て貰った上で作業を依頼した方が良いでしょう。

●ピックアップ自体をアクティブに交換する
大方のギターに搭載されているピックアップは音を拾う構造の「パッシブピックアップ」と呼びますが、拾った音を内蔵アンプの力で増幅させる構造のピックアップがアクティブピックアップです。

交換は知識とある程度の技術が必要です。

内蔵アンプを用いる為9V電池が必要となり、パッシブピックアップ搭載ギターにアクティブピックアップを載せ替えるとアンプやバッテリーのスペースを確保出来ない場合もあります。

アクティブピックアップは通常よりも出力の小さいピックアップによりノイズは拾わず弦振動のみを拾い、小さすぎる出力を内蔵プリアンプによる増幅で補う仕組みです。

その特性上、音色に違和感を感じる人達もいます。

ハウリング対策の観点のみで交換する事は費用の面もですが出音の変化に関しても気軽に推奨できません。

ご自身のギターに載せ替えた場合の出音の変化は未知の領域である事は踏まえつつ、交換検討中の機種のアクティブピックアップを搭載しているギターを試奏してみる方が良いと思います。

ギターの個体差や機種の違いにより出音は変わるので音質変化はある程度賭けの要素がありますがノイズやハウリングの対策としてはかなり効果的です。

以上、対策を見てきましたが1つの対策のみならず複数を検討、実施してみて少しでも好みの音を崩さずにハウリングを抑え込める事が出来たら演奏も楽しくなる事と思います。

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