36.エレキギター初級 ◎中古楽器の選び方(2)

35.の続きです。

楽器としてのレベルの高さや価値の見極め方ではなく最低限機能する楽器の選び方という観点です。

また参考程度ではありますがリペアショップへの依頼やパーツ購入代などを記載しましたので本体代と追加料金として参考にしていただければと思います。

◎ピックアップセレクター、ヴォリュームポット、トーンポット

ここも意外と不具合が多い部分です。

●試奏して音を出すときに各ポジションに合わせてセレクターやポットを動かしてみてください。

ガリノイズが出たり特定のポジションで音が出なかったりのほか、特定の角度の時だけ音が途切れる場合があります。

これは①セレクター・ポット自体の問題②配線に問題の2つのパターンがあります。

①セレクター・ポット自体に問題がある場合は長期の使用による接点の摩耗です。

接点の摩耗の場合は残念ながら直りませんので交換が必要です。

ただし重大な不具合かというとそうではなくセレクターやポットの類は消耗品でありいつかは交換する時が来ます。

動かしたときに出るノイズであれば1曲の演奏中にセレクターを切り替えたりポットを回さなければ良いという考え方もあります。

ただしノイズが無いに越したことはないのは間違いありません。

②配線に問題がある場合は

・配線がダメになっている

・配線が外れている

・外れてはいないがハンダの中で浮いていて接触が悪い

の3パターンです。

配線は高くないのでいずれの場合も元の配線材からグレードアップしたものにハンダ付けをして交換します。

配線材代ももったいなければ配線自体がダメになっている事は少ないので元の配線材を使用してハンダし直すだけでOKです。

購入前の確認では上記のうちいずれの原因であるかの特定は難しいですがどの場合でも手間に差はありません。

リペアを頼む場合のリペア料金も部品交換と配線直しはそれほど違いはありません。

●自分でハンダ付け作業が出来れば交換自体は全く難しくありません。

セレクターやポット自体は信頼できるメーカーでも通販でポット500円~セレクター1,500~4,000円(当然もっと高いものもあります)、中国製のコピー品でとりあえずノイズなく音が鳴れば良いのであればもっと安く入手できます。

配線を失敗してもやり直せますし、セレクター・ポットを壊してしまっても上記金額がもう一度かかるだけです。

サーキット(回路)をいじるのではなく単なる交換作業なので、元の配線を写メしておく、ネットで配線の画像を探すなどして「元の通りにハンダ付けしなおす」作業はそれほど難しくなく、できるようになれば電装系の不具合のみで安売りされているギターはむしろ「オイシイ」ギターになります。

セレクターレバーやポットのシャフトが折れている場合も交換対象です。

もともと消耗品なので自分で交換できれば買い得、リペアに出すならかかる料金と本体価格次第ではありますが、セレクターが折れるほどの扱いをされたギター(扱いをする前オーナー)という部分が気にはなります。

●セレクター交換のリペア料金は、セレクター部品代別で3,000円くらいかと思います。

「自分でやった結果、音が悪くなったら」と考えるのは至極もっともなのですが、取り換えしがつかないことはなく何度でもやり直せるので自分でやってみた結果がどうしても納得出来ないと感じてからリペアに出しても良いと思います。

今時いないと思いますが「お客さんが自分でいじった結果、リペアに少し余分にお金がかかる」などと言われたらそのリペアショップは無知に付け込むお店ですので頼まないようにしましょう。

新品部品を買って自分で付けたあと、付け直しだけを依頼したのに「部品が使用不可になっているので部品代もかかる」というのであればおかしくはないのですが「工賃が余分にかかる」は騙しだと思います。しっかり内容を確認しましょう。

セレクター、ポットなど電装系の取り付けが失敗しているくらいで取り返しが付かないことはありません。

ポット自体はやや熱に弱く、取り付けに時間がかかり過ぎて熱し過ぎた場合はポットが壊れることはありますがポットの新品の部品代がかかるだけです。

●個人的には他に不具合が無く、電装系のパーツや配線のみの不具合であれば積極的に購入候補にします。

セレクターやポット軸が折れている個体は扱いが雑にされた可能性がありますので他にもダメージがないか慎重に確認します。

◎ピックガード・バックパネル

ピックガードの不良は考え方によってお得度が変わります。

バックパネルはストラト系ではトレモロブロックのスプリング調整をする際に外さなくてはならない(パネルを外さずに調整できる機種もあります)ため欠損している割合が高いパーツです。

ピックガードはレスポールタイプだと有名ギタリストの影響で外されている事がありそのまま中古屋に売る場合があります。

どちらも無くなっている場合でもあまり困ることはありませんし、年代ごとの色の違いなどにこだわらなければ値段も高くありませんのでぱねパネル類の欠損は基本的には問題ありませんがその結果特別安くなっている事もないパーツです。

ただし一つだけ注意点があります。

ピックガードが無い状態で買って、どうしてもピックガードが無いと自分が嫌な場合です。

というのもレスポールタイプの場合ピックガードが無い場合は取り付けのブランケットも欠品していることがほとんどでピックガード代とブラケットと取り付けネジも購入しなければなりません。

ブラケットはネジ付きで数百円、ピックガードはギブソン製は4,000円くらいしますがコピー品なら1,000円くらいです。

値段も取り付けの難易度も問題ないのですがストラト系では特に、レスポール系でも寸法が微妙にずれている事がありぴったり合わない場合があるのです。

ストラト系ではネジ間の長さが違うのは良くありますし、レスポール系ではピックアップのエスカッションとの勘合が隙間があることは多々あります。

これらの寸法は全体の長さなどと違いスペック表に載っていないため、別なカラーを買うため純正品を店頭に持参して現物合わせをする場合はいいのですが、現在欠品しているものを店頭なり通販で買うのはリスクがあります。

少しくらいのズレであればやすりで削るなどして見た目は気にならないのであれば良いのですが新品の様なルックスを求める人には意外になかなかハードルが高い部品です。

●私なら気にしませんし、どうしても欲しい場合も値段は安く、取り付けも十分自分でできます。

しかしピッタリと取り付けてある状態を目指すのはなかなか難易度が高いです。

(3)に続きます。

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