エレキギターを保管する際に一向に決着が着かないのが「保管時に弦を緩めるか」論争です。
見も蓋もなく言えば「ケースバイケース」なのですが、個人的には弦は緩めなくて良いと考えております。個人的には弦は緩めなくて良いと考えております。
ギターの所有本数は50本を越え手放したギターやショップで触ったギターは100以上ですが、ネックが反ったギターは定価3万以外のビギナークラスのギターです。
ハイエンドが4本、お遊び用ギターが10本の他は10から15万のミドルクラスを多数所有しておりますが弦を緩めずにネックが反ったものは数えるほどしかなく全てエントリークラスです。
ただしネックが反った理由が弦を緩めなかった事であるかは確証を持って言う事ができません。
いずれにせよ所有ギターのほとんどがネックのトラブルに発展していない例を見ても弦は緩めなくて良いという結論に達するのです。
結局は個人がその個体毎に判断をする事になってしまいます。
当ブログの主旨が公正な比較ではありませんので、個人的な感想の注釈を入れつつ、両方の主張を列記したいと思います。
◎緩めた方が良い派の主張
●ネック反りの予防
ギターのネックにはレギュラーチューニング時で40キロ程のテンションが掛かり続けていますのでネックの負担を軽減するためと言う主張です。
ネックが反る個体があるのは事実ですが実際に弦を張り続けたのが理由なのかは証明できません。
●弦の寿命延長
これは一理あると思っています。
弦を張る時に伸ばしても張りっぱなしだと緩やかに伸び続け寿命を迎えます。
その観点では弾き終える度に緩めれば弦の寿命は延伸するというのは理に適ってると思います。
しかし個人的には後述する張り・緩みを繰り返す事によるネックへの負担と、元来消耗品である弦ではどちらを優先すべきかは自ずと答えは出ているような気がします。
アコースティック、フルアコ、セミアコは弦は緩めて保管した方が良いなどと言われますがアコースティックに関しては門外漢なため真偽は不明です。
◎張りっぱなしで良い派の主張
●ギターは元々、弦を張られる事を前提に製造されている。
●1部のメーカーは弦は緩めての保管は不要とアナウンスしている。
●弦を毎回緩めて張るを繰り返すことの方がネックに悪影響を及ぼす。
これが主な主張です。
10万以上のギターでも反ったとか、ハイエンドモデルでも反るものは反るとかの記述を見ますしそれが素人ではなくリペアプロの書いた記事であったりします。
天然物の木材を材料にしている以上木材の狂いは出てしまう事がある様です。
個人的に見てきた中でやはりエントリークラスには圧倒的に反りなど狂いが出やすい印象はあります。
そしてこれは完全に個人的見解なのですが、特別なんらかの理由で安い(特価品)とか高い(プレミア)などを除き、「中古の販売相場価格が安いギターはレベルもそれなり」な気がします。
そのギターが相場より安い理由はいろいろではありますが定価がそこそこでもなぜか中古相場より安いギターは品質面が理由の場合もあるのではないかと感じています。
◎ネック反りの観点から見る保管方法
良く言われる事が「人間にとって適正な環境に置く」と言う事です。
具体的には温度が20-24℃、湿度が40-55が目安と言われています。
夏はクーラーと除湿、冬は暖房と加湿をして適度な環境を整えます。
その際、冷暖房の風が直背当たらない様にしてください。
保管場所は壁にネックで吊るタイプのハンガーがネック反り防止の観点からはベターと言われています。
ケースの中で保管する場合はハードケースに湿度調整剤を入れて保管すると良いです。
湿度調整剤は湿度が多い時は湿度を吸い、少ない時は吐きだします。
百均の物で良いので温度計湿度計をギターの近くに置くと良いです。
ラッカー塗装のギターの場合は、高温多湿の環境で塗装が軟化しハードケースの内張りの跡が付く事があります。
なので基本的にラッカー塗装のギターはケース保管はしていません。
ネックが弦の張力に負けそうで心配な場合は2週間程度を目安に張りっぱなしにしてみてその後の経過を見ます。
そしてその後も経過を見てネックが順反り方向に動くようであれば弦を緩めて保管した方が良い個体かもしれません。
弦を緩めて保管する場合はランダムに緩めずに半音や1音下げにして弦同士のバランスは変わらない様にすべきと言われています。
弦の張力でネックが反る事を心配するのであれば張力の偏向で反りが一定でない場合が出てくる事が予想されます。
対策をしても相手が木材ですので結果は変わる事もありますが想定される事態は回避する努力をすべきかと思います。
以上、弦を緩めるか論争は場合によると言う事になるかと思いますが大切なのは毎日練習してギターに触ることです。
上手いプレイヤーは練習量とともに相棒のギターがベストコンディションを保つ事にも目を配れるからこそしょうさんされる演奏が出来るのだと思います。
毎日練習してネックを握っていれば些細な変化に気付いて対応も出来ます。
完
コメント