前回の必ず買うべき必需品の後編です。
後編では必需品ではありますがどうしても出せない場合は後回しにできるものです。
しかし最低限の装備で弾くことはできても後々の上達や利便性を考えるとできれば早めに用意した方が良いものです。
◎必須だが最悪省けるもの ~なるべく早くそろえましょう
目次
◎ギターストラップ
◎予備の弦
◎ニッパー
◎ギターストラップ
無くても弾けますがなるべく早くそろえたいものの筆頭です。
ストラップとはギターに付いている専用の突起に嵌めて使う背負い紐です。
アーティストによって様々な柄やデザインがあり素材も一番安価なナイロン製や本革製、布製、重量軽減できるネオプレン製のものなどがあります。
早くそろえたい理由はなるべくストラップを使用して練習した方が良いからです。
以下その理由です。
●ギターが固定された状態に慣れてしまう
座ってストラップ無しで弾く場合、太ももにギターを乗せて弾くのでギターは大変安定し左手の動きも自在です。
しかし実際人前で弾く機会はどうでしょうか。
スタジオに入り仲間と練習、教室等で友達に演奏して見せる、ライブをする
ほとんどの場合立って弾くシチュエーションだと思います。
●テクニックの難易度が変わる
また上達具合から言ってもスライドなどの奏法ではがっちり固定された状態のギターとストラップでぶら下がった状態のギターでは難易度が違います。
●演奏するギターの位置が変わる
立っているときと座っているときのギターの高さと、場合によっては横方向の位置も違います。
構える高さの好みはそれぞれですが一般的にJ-POPで目にするアーティスト達と同じ高さで構えるならば座って膝の上に置いたよりも低い位置になるでしょう。
またギターのボディのくぼみの位置によってはももに乗せた場合とストラップで提げた場合では左右の位置も違う場合があります。
体の中心からヘッドの先までの位置が変わり自分の想定したフレットを押さえられなくなります。
座って弾いた時の感覚で5フレットを押さえたら立って弾いた時は3フレットだった、というような事が起こります。
上級者であれば対処は難しくありませんがビギナーがライブなど本番で起こったならば混乱してしまうかもしれません。
上記の理由からなるべく立って練習した方が良いですし、座って弾く場合も高さは変わるとして足から少し浮かせた状態で弾く方が上達します。
足から浮かす理由は高さは本番と違うとはいえギターが体に固定されてない状態に慣れることが出来るからです。
●どんな素材や形が良いか
・最初は長さがかえやすいもの
最初は安価なのと長さの調整がやりやすい、ナイロン製が良いでしょう。
通販で最安値だと300円台からです。
もちろん好きなアーティストと同じストラップにするなどご自身のテンションが上がる方法は積極的に取り入れたいものです。
先ほどおすすめしたような練習方法だと、どうしてもストラップの長さは立って弾く位置に合わせた場合と座って弾く位置に合わせた場合で長さが違うと思います。
2本用意するのでなければ、すぐ長さが変えられるものが良いでしょう。
ストラップは将来、太さや素材など好みが分かれてくる場合が多いように感じますので、最初から同じものを2本買わずに長さ調整で対応することをお勧めします。
・素材の滑りやすさ
ギターの重量にも関係しますが演奏のしやすさが変わってきます。
皮など滑りにくいストラップの方が座っての演奏の様にギターが動きにくくなります。
またギターが軽いと動きやすくなります。
ただ固定された状態に近い方が必ずしも弾きやすい訳ではなく、演奏スタイルやギターによって弾くジャンルが変わるとストラップの好みも変わることがあります。
動きにくい重いギターには滑りにくい本革のストラップを使用してがっちり固定して演奏していても軽いFRT付きは激しく動き回る曲を弾くため敢えて滑りの良いナイロンを使用する、などです。
将来演奏ジャンルが変わったり新しいギターを手に入れたときはストラップの好みも変化するでしょう。
・ギターの重量とストラップの太さ
滑りやすさの項でも触れましたがギター本体の重さや大きさとストラップの太さや素材も考慮すべきポイントです。
太い(幅が広い)方がギターの重さを分散させるので体感的にも実質的にも負担は軽減します。
素材もネオプレンなど反発力がある素材だと体感重量がかなり変わります。
・ギターへの取り付けの安定性
ギターにストラップを取り付けての演奏中、ストラップが外れてギターが落下する事があります。
ロックピンというピン側を交換して落下を防ぐものもありますが、安価に済ませるならばPLANET WAVES「プラネットロックストラップ」などのロック機構付きストラップや、Jim Dunlop Lok Strap ストラップロック、SOLDIER STRAP Guitar Strap Lockなどのゴムやプラスチック製の固定具があります。
これらは加工も必要なく手軽です。
体力や体格にもよりますが個人的には3.5㎏くらいを境に軽く感じるものと重いと感じるものが分かれます。
ただ中には4キロを超えているのに軽く感じる大変バランスの良い重量配分のギターもあります。
・購入の注意点
本体はナイロンで問題ないのですが、ギターに取り付ける部分は皮が望ましいです。
この部分が合皮やナイロンなどの合成素材だと裂けることがあります。
あまり最近は見なくなりましたが、取り付け部の外周が刺繍されてなくて縫い目がないものは特に要注意です。
縫ってあればそこで裂けが一旦止まります。
◎予備の弦
これもとりあえず弾くのには必要ありませんが遠からず必ず必要になるので購入しておいた方が良いものです。
深夜に練習中弦が切れた場合、予備弦があればすぐに張り替えるか遅くとも翌日には演奏を再開できますが買い置きが無ければ翌日以降の時間があるときにお店に買いに行く、通販で数日待って買うのどちらかになります。
友達に電話して「通販で安く買ったら返すから明日学校に持ってきて!」というパターンもあるかもしれませんが…
●切れなくても寿命がくる消耗品であること
●時間に余裕がある時に買っておく方が商品の種類や値段をじっくり検討できること
●張り替え頻度から見ても常に在庫がある方がよい事
を踏まえ買い置きをお勧めします。
ビギナーのころはピッキングの適切な力加減を誤り弦を切ってしまう場合もあると思いますが、予備弦がないと弦を切りたくないが故に力を加減した弾き方になる場合があります。
力を入れて弾くのが良い訳ではなくむしろ「余分な力は抜きましょう」としている教本が多いですが適切な力加減を習得する前に弦切れを恐れて腰の引けたピンキングの癖がついてしまうのは問題があると考えます。
購入に関しては通販が安いですが弦1セットだけだと送料がかかる場合があるため
●ギター本体を通販で買う場合は一緒に1~3セット買う
●後から買う場合は複数セット購入し送料無料条件に合わせる方が良いでしょう。
◎ニッパー(家になければ購入)
ちょっと変わった立ち位置で必需品ではありますがペグに巻いた弦の先を切らない人には不要と言う場合もあります。
しかし古い弦を取る時に切るのにあった方が良いですし必需品と言って良いと思います。
なおフロイドローズ付きのギターの場合はたとえ弦を逆さまに使う場合でも巻き弦は切る必要がありますので必携品となります。
プラ用、鋼線用があり切断能力も違うので条件に合うものを購入するか弦専用ものもあります。
プラモ用は併用できませんが、家に鋼線用があればわざわざ買う必要はないです。
ニッパーを持ってない、プラモ用しかない場合は購入になりますが、
・DIYをする予定があるなら兼用できる鋼線用
・ギターしか用途がないなら使いやすい専用のものが良いです。
鋼線用一般品を買う場合は、ギター弦のレギュラーゲージの6弦(0.046インチ)が1.168mmですので3ミリ以上切断できれば良いでしょう。
以上、准必需品と言うべき初回に無くても始められますがなるべく早くそろえたいものをお伝えしてきました。
逆に言えばここまでのものがあれば当面は困らないと思います。
必要な道具とはどの程度で取り組むかで大きく変わってきます。
通常のセットアップ以上はプロのリペアショップに任せるなどであれば数種類の工具のみで事足りるでしょう。
弾いて上達する過程でギターへの関わり方の距離感も定まってくると思います。
完
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