ギターを少し弾いていると、弦がだんだんと黒ずんで来たり、茶色になってくると思います。
そのまま弾き続けるとフレットが削れが早まってしまい、ゆくゆくは交換に大きなお金がかかってしまいます。
ギターは、弦を押さえ(押弦、おうげん)、押さえる位置でフレットとブリッジまでの長さが変わり、音程も変わります。
フレットとは指板(フィンガーボード)の木材に21から24(稀に27)本ある銀色の細い棒で、ニッケルやステンレスで出来ています。
演奏中は弦と指からの圧力を受けており、基本的には消耗品です。
一方、弦は鋼鉄の芯線で出来ており1〜3弦はむき出し、4〜6弦は更にニッケルやステンレスで巻かれています。
同じ硬さのもの同士が何度もぶつかり合い、組み合わせによっては弦の方が硬いので、お互いにだんだんと削れてきます。
弦も異様に長い期間張っていると、弦の下側(指板側)が波打ったりして触ると明らかに削れているのがわかります。
またフレットの方も、楽器屋さんなどでいかにも古いギターのフレットを良く見ると、でこぼこして弦が当たる部分が削れているのがわかります。
弦を押さえた時の圧力だけでなく、弦を弾いた時の振れ幅がフレットを削ります。
イメージとしては、押さえた部分(開放の時はナット)からブリッジまでで大縄跳びの縄を回しているイメージです。
何度も叩かれている地面の部分がフレットです。
基本的にはフレットは消耗品なので、弦交換をきちんとしていてもフレットの削れを防ぐ事は出来ず、遠い将来すり合わせと呼ばれる調整やフレット交換の時期が必ずやってきます。
しかし古い弦を使用し続けていると、
①振動の幅が変わりフレットの叩き方が不規則になる
②弦自体にサビのでこぼこが出来、削るチカラを増す
ため、弦をこまめに張り替えた場合よりフレットが削れる速度が早まります。
フレットは削れても「すり合わせ」という作業で延命するのが一般的であり、すぐさま交換とはなりません。
しかし削れが進むとフレットを交換する時がきます。交換の時は削れたフレットのみを交換するのではなく全フレット交換する場合がほとんどで、工賃は高額になります。
フレット1本1,000円〜で21,000〜24,000円、それに加えて3-50,000円の工賃がかかります。この作業を「リフレット」と呼びます。
このようにゆくゆく大きなお金がかかってしまいますし、なにより、音程が安定せず音が狂いやすくなります。
弦交換の頻度は様々な考え方があり、音の好みの問題もあるので一概には言えませんが、私見としては上達する為にも使用頻度や劣化の進み具合にもよりますが月に1度は交換した方が良いと思います。
私はエリクサーというコーティング弦を使っており、コーティングのおかげで錆びにくく長寿命です。価格は高めですが、安いところを見つければ1,300円ほどで買えて、600円くらいのダダリオ弦の数倍は長持ちするので高コスパ弦だと思います。
250~300円で売っている様な激安弦はお勧めしませんが、どうしてもお金が無い場合、高価な弦(コーティングでないもの)を一度張っていつまでも使うくらいならば選択肢に入れても良いかもしれません。
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