お店で買ってきた場合は店員さんがチューニング(弦の音を合わせること)をしてくれていると思いますので家に着いたらすぐ弾き始めても問題ない場合もあります。
しかし今後長く続けて行くにあたり弾く前に毎回チューニングをする癖をつけた方がよいと思います。
なぜかは後で述べるとしてまずはチューニングの基本的なやり方を紹介します。
なお「チューナー」とは本稿では機械式の調弦機(チューニングマシン)を指しますが「チューン(調律)するもの」と言う意味ですのでギターの糸巻き(ペグが付いているもの)全体を差す言葉でもあります。
①チューナー(チューニングマシン)を持っている場合
●シールド(ギターとアンプなどをつなぐ線)でチューナーとギターを繋ぎ、電源を入れます。
チューナーはほとんど電池式ですが電源アダプターを繋げるものや充電式の物もあります。
わからない場合は商品名で検索して電源の方式を確認してみて下さい。
またヘッド(糸巻きがある部分)にクリップのような物で挟む「クリップ式またはクリップチューナー」という物もありますが外見を見ればわかるかと思います。
音を合わせてもらった直後や弾いた次の日であれば大きくは狂っていないと思いますので微調整で済むと思います。
1番太い6弦を弾けば表示は「E」と表示されると思います。
全く違う場合や音が何か違う感じがする場合は②の「チューナーが無い場合」を参考にしてください。
●チューニングには様々な合わせ方があるのですが一番基本的な「レギュラーチューニング」では
6弦=E
5弦=A
4弦=D
3弦=G
2弦=B
1弦=E※
に合わせます。
※6弦と1弦が同じEなのは1オクターブ高いからです。
ドレミファソラシド…と音が上がっていき最初のドと最後のドは、最後のドの方が「1オクターブ高い」と表現します。
弦を弾くと表示が出ますので針やLEDの表示が真ん中に合うようにギターのチューナー(糸巻き、指でつまむところはペグ、弦が巻いてある部分はペグポストと言います) を回していきます。
音が低い場合はギターを構えた状態で反時計まわりに回していきます。
音が高い場合は時計回りに回して1度真ん中より低い音まで下げてから再度高くして合わせていきます。
緩める方向で合わせるとペグポストに巻かれている弦がゆるんだりして音が狂いやすくなります。
始めのうちは弾く弦を見てしっかり弾くようにした方が良いです。
6弦を合わせようと6弦のペグを回していても実際には間違えて5弦を弾いておりチューナーに表示されている音が変わらない(ペグを回していない5弦の音程を表示している為)のでおかしいと思って回し続けて弦が耐え切れず切れてしまったりするからです。
またレスポールの様にヘッドの左右にペグが分かれている機種は(ほとんどが3対3ですが4対2や5対1もあります)、6から4弦は反時計回りですが3から1弦は弾いている側から見て時計回りに回すことになります。
構えた向きでは4-6の低音弦と1-3の高音弦側を反対の方向に回すことになります。
これはペグの正面から見れば同じ方向なのですが実際チューナーの表示を見ながら少し回していけば理解できると思います。
●一度6弦から1弦まで合わせたら6弦に戻って弾いてチューナー画面の表示を確認してみてください。
ギターは大抵は木製品ですので全部の弦を巻く方向で音合わせをするとネック(棹、弦が張ってある部分)が弦の張力に負けてしなる場合があります。
弦が張られてネックがたわむと弦は緩んだ形になり音程は下がります。
鉄製である弦は交換時などの張ったばかりの時は自然に伸びたりして安定しません。
また湿度でネックが動く場合もそれほど珍しい事ではありません。
これらが冒頭で述べた弾く前には必ずチューニングをした方が良い理由です。
何度か往復して調弦して音程が変わっている弦がなくなればチューニングは完成です。
オクターブチューニングと言う言葉を聞いた事があるかもしれませんがとりあえずはここまでです。
②チューナーがない場合
チューナーを持っていない場合の解説ですがこちらも覚えておくといいかと思います。
チューナーの急な電池切れや故障の時の為です。
音感を養う為に常にこちらのやり方で調弦する方もいます。
●音叉(おんさ)、無い場合は時報の音で合わせる
音叉(おんさ)は新品でギターを買うと付いて来たりしますし高いものでもないので用意しておくことをお勧めします。
楽器店などでも置いています。
音叉の音の440ヘルツ(Hzと表記)は5弦の音と同じです。
時報の最後の「ポーン」と言う音も440ヘルツです。
これに5弦の音を合わせます。
音叉の音が小さくて聞こえない場合は
①耳のほおに近い骨に音叉の根元の丸い部分を着けると頭骨に響いて良く聞こえます。
②音叉を横にしてギターのピックアップに近づけると音叉の音がアンプから出ます。
実際に鳴らした音(実音、じつおん)で合わせるやり方とハーモニクスで合わせるやり方があります。
ハーモニクスとは演奏する時の様に指を指板(しばん、フィンガーボード)までくっつけずに弦だけにそっと触れた状態でその弦を弾いて、触れた指を素早く離すと「ポーン」と澄んだ高い音が出ます。
難しくありませんので何度か試みれば出来ると思います。
ちなみにハーモニクスは音合わせだけでなく演奏のテクニックとして使われることもあります。
出やすい箇所と出にくい箇所がありますが、出やすくて今回のチューニングでも使う各弦の5フレットと7フレットそして12フレットでハーモニクスを出せればとりあえずは十分です。
●実際の合わせ方
5弦を440ヘルツに合わせてこれを基準にします。
ネックがたわむ場合があるのは変わらないので一度全て済んだら最初から再度確認するのはチューナーを用いた場合と同じです。
5弦7フレットハーモニクス(以下H)のすぐあとに6弦5フレットHの音を出します。
その2音が同じ音になる様に6弦のペグを回して調弦します。
次に5弦5フレットH音に4弦7フレットHの音を合わせます。
同様に4弦5フレットH音に3弦7フレットH音を合わせます。
2弦は開放弦(弦を押さえないで鳴らす事)のハーモニクスではなく実音を6弦の7フレットH音に合わせます。
1弦は
1弦開放の実音を5弦7フレットH音に合わせる
2弦5フレットH音に1弦7フレットH音を合わせる
2つのやり方がありますが前者の方が聞き取りやすいと思います。
●まとめ
① 5弦を音叉に合わせる
② 5弦7フレットHの音に 6弦5フレットH音を合わせる
③ 5弦5フレットH音に 4弦7フレットHの音を合わせる
④ 4弦5フレットH音に 3弦7フレットHと合わせる
⑤ 2弦開放の実音を 6弦の7フレットHに合わせる
⑥ 1弦開放の実音を 5弦7フレットHに合わせる
最初のうちはチューナーで合せたあと確認と練習でハーモニクスを出してみると良いかもしれません。
ただし後程記述する予定の「オクターブチューニング」を行ってない場合、上記2つの結果が一致しない場合があります。
チューナーで合せたあとのハーモニクスが少し合っていなくても神経質にならずまずは楽しく弾いてみた方が良いかと思います。
完
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