23.◎エレキギター初級 ~音のビレ(ビビり)解消

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ギターを生音(なまおと)で鳴らしている時、押弦ポジションによって音がおかしいと思う事があるかもしれません。

ポジションによって、と言うところがポイントでその場合は弦がビビっている(ビリビリいう音がしている)状態かもしれません。

原因の究明と対応についてお話ししていきたいと思います。

目次

◎ビビっている状態とは

◎ビビる原因の見つけ方

◎それぞれの対策

◎ビビっている状態とは

ビビっているとはどういう状態なのでしょうか。

聞き慣れていれば「今ビビっている」とわかるのですが弾いて違和感を感じた程度の段階だと判断に迷う事があるかもしれません。

その場合は開放弦(どのフレットも押さえてない状態)を含め、すべてのフレットポジションを1音1音丁寧にゆっくり弾いてみてください。

生音でわかりにくければエフェクトを一切かけないクリーントーンでアンプからを出してみましょう。

全ての出音が問題なければ良いのですが聞き比べると特定の出音だけがビリついた音がしたり詰まったような音がするときは原因を探り対処できるものについては解消していきたいものです。

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◎ビビる原因の特定と対処

開放から順番に、1本づつ音を出してみてどのポジションでビビリが発生しているかで対応が変わります。

複数当てはまる場合は原因も重複してる可能性があります。

●ほぼ全てのポジションでビビリが発生する場合の対処

この場合は弦高が低すぎる事が考えられます。

弦高が低いのは

・テンション感が低く抑えやすい

・押弦時の音程変化量が少ない

・弦の指離れが良くフィンガリングがしやすい

と言うメリットはありますが

・フィンガリングに対してピッキングはしにくい

・音の響きが悪い

・ネックのコンディションに音が左右されやすい

事がデメリットです。

ネックコンディションは木製品であるギターの宿命で温度湿度で日々に妙に変わります。

ネックの反りが一時的にでも進めばまさにビビリの原因となります。

加えて度を越えた低い弦高のセッティングはビビリを常時発生させる原因となりかねません。

出音の好みでわずかにビビらせるギタリストもいますので完全に間違いではないのですが間違いなくフレットの寿命を減らします。

フレットは指板(フレットボードまたはフィンガーボード)に打ち込んである構造の為調整や打ち換えは高額なリペア代が発生します。

すり合わせ作業はそれほど高額とは言えませんが出費であることは間違いありません。

●開放弦でのみビビる場合の対処(できればプロへ依頼)

開放のみでビビる場合はナットが低い場合が多いと思います。

・ナットが元から低い

・ナットの溝が元から深い

・ナットの溝が弾いているうちに削れて低くなった

ナットはシビアなパーツなのでプロへ依頼することをお勧めしますが金銭的余裕や住んでいる地域によっては困難な場合もあると思います。

あくまで自己責任になりますがナット自体が低い場合のみ自分で修理する方もいます。

ナット自体は接着されているので叩いて外し

・ナット自体を購入してきて自分で接着する(弦溝があるものと無い商品があります)

・既存のナットの下にスペーサーを入れて接着する

のいずれかの対応になります。

溝の深さの方に問題がある場合は完全にプロのリペア行きです。

しかし溝に瞬間接着剤をほんの少し垂らして溝をかさ上げし再度溝を自分でほるかたもいます。

この場合と溝が無いナットを付けた場合は自分で溝を掘る作業をする必要がありますが溝の深さはスーパーライトゲージの1弦で0.229mmです。

高価な専用ヤスリを用い高精度の技術が必要になります。

そもそも弦の溝は深すぎても広すぎてもダメで太い溝を掘って「大は小を兼ねる」と言う訳にはいきません。

広いと弦が外れやすくなったりまたビビリの原因になります。

またナットの溝の傾斜角度も弦に適度なテンションを与える目的があり弦が嵌っていれば良い訳ではありません。

ナットに関しては自分で交換する記事や動画等が散見されますが本当にお勧めしません。

それでもどうしても自分でやってみたいと思ったのならば、私なら完全に埋めて新たに掘るのでは無く、瞬着を極少量入れたらその溝にあった弦を入れて押し込んですぐ外して乾かし、カサが足りなければ再度試みる事をすると思います。

普段は瞬着の個体を作って固着は防ぐ場合は弦の方にグリスを塗るのですがカサが足りなかった場合再度同作業をするのでこの場合はグリスは使用しないと思います。

弦が溝の中で固まってしまったら修復はほぼ不可能になるので弦はすぐ外します。

以上は推奨するわけでは全く無く、ナットを触るのはプロに任せましょう。

●複数の弦が同じフレット~ローポジションまたはハイポジション~でビビる場合の対処

●ローポジション(だいたい4フレット以下)

この場合はネックの逆反りが疑われます。

逆反りとはネックが弓場に反っている状態のうち、ヘッドが後ろに反りかえっている様な状態を差します。

全てが修復可能ではありませんがネックのトラスロッド調整をしてみてください。

(過去記事「15.ネック調整」)

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●ハイポジション(おおむね12フレット以上)

この場合はネックの順反りの可能性があります。

順反りとはネックが腹筋する様に起き上がった状態、ギターがお辞儀をするような方向の反り方です。

この場合もトラスロッドを調整してみてください。

また、順反りと似た状態に「ハイ起き」と言う状態があります。

これはネックは反っているが根元・ネックのがボルトで留められたり接着されたりしているジョイント部分はボディの強度の助けを借りて反らずネックの先だけが起き上がって(順反り)になっている状態です。

またトラスロッド調整をした結果、ジョイント部以外にロッドの効果が及びハイ起きになる事があります。

いずれにせよネックの強度やシーズニング(適正な管理下の木材の乾燥)の問題がある場合に起こる事があります。

ハイ起きに関しては完全な修復は難しく、弦高を上げる、ネックアイロンを施す、強引なリフレットで対応するなど対応が対症的で限定的です。

とりあえず何とか弾ける様にするには弾きにくさに目をつぶってビビリが出ない(または我慢できる)状態まで弦高を上げるのが手っ取り早いでしょう。

今後の対応に関しては様子を見る(仮に直っても再発の危険が常にあります)、コストをかけてリペアに出す(絶対に直る訳ではないのでプロに相談を)、新しいギターを買うくらいしかないかもしれません。

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●特定のポジションでビビる場合の対処

1フレットを押さえた時はビビらないのに2フレットを押さえて弾くとビビる、3フレットはビビらない、などと言った状態です。

このケースはフレットの高さに問題があります。

木材の波うちという場合もありますが

・フレット打ち込みの精度が元から悪い

・振動や指板オイルの使い過ぎで指板が軟化してフレットが浮いてうる

・特定のフレットがすり減り低くなり相対的に隣のフレットが高い状態になっている

フレットの浮きに関してはリペアに出すのが最も確実です。

仮に叩き込んでも木部の方に問題がありますので解決しない事が多いと思います。

フレットの高さ調整にはすり合わせで対応する場合があり私も素人作業ですが行う事もあります。

しかしこの場合はネックが反っていないかなど(過去記事「15.ネック調整」)を確認できてフレットのみが原因と特定できた場合のみです。

ネックの反りが原因なのに反りを修正する前にフレットを削ってしまっては元に戻すにはフレットの打ち替えしかありません。

すり合わせ自体も経験がいる作業ですのでこの場合も根本的な修復ができる経験なりコストがかけられないのであれば根本的解決ではありませんが弦高を上げての対応以外は難しいと思います。

●上記以外の原因

複数の弦やポジションでビビる場合、パーツが共振していることもあります。

・ブリッジのパーツのネジが緩んでいる

・パーツの取り付け方が適正でない

・ピックガードなどのネジが緩んでいる

等のケースです。

どういう状態が適正なのかの判別が付かなくても、今付いているパーツのネジが緩んでないかを確認して必要に応じて増し締めをしてみると改善することがあります。

特にペグのナット(ナットが無いペグもあります)、ピックガードやブリッジの各部ネジは緩みやすいので注意してみてください。

ただし木材に直接打ち込んであるネジは締めすぎると木部を崩しネジが利かなくなりますので締めすぎには注意します。

身長にネジを締め手ごたえが強くなった時点で締めるのをやめて下さい。

◎まとめ

以上の様にギターは金属パーツのトラブルは調整の余地もあり最悪交換と言う手段がありますが木部の反りなどのトラブルは厄介で素人には手に負えないものも多いです。

不安な場合は無理に判断や処置をせず電話ででも購入先で相談してみてください。

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