14.◎エレキギター初級 ~弦交換の必要性

ギターのチューニング Uncategorized

弦交換の頻度については過去記事で書いたのですが今回は弦交換の必要性、交換をしないデメリットと書いていきたいと思います。

交換には意見が様々あり、交換しない方が良いと言う人もいます。

意見や好みは様々ですがデメリットを把握したうえで換えるか換えないかを判断されると良いと思います。

以下、個人的に重要だと思う順番で記述していきます。

弦交換をしないデメリット

①ギター本体を痛める

交換しないデメリットで最もお伝えしたい事はこれです。

正確にはフレットを痛めます。弦は弾いたときに振動しブリッジからナットまたは押弦(おうげん)ポイントまでの範囲で振動し縄跳びの縄の様に振れます。

その際フレットは縄跳びにおける地面の様に弦で叩き付けられ少しずつ摩耗していきます。

減りにくいと言われるステンレスフレットでも5年も弾いていると明らかにへこんできますし、中古の古いギターの弦の真下を、弦をずらして見ると大抵フレットがへこんでいます。

弦を指で押さえる所や運搬時に弦がフレットに当たる場合よりダメージを与えます。

フレットが痛むと音程が取りにくくなります。

削れたフレットが低くなり、ブリッジ寄りのフレットが相対的に高い状態ならば音が詰まります。

また削れたフレットは頂点の形が削れてピッチが安定しません。

その状態が進むとフレット全体を低いフレットに合わせて削り、再度頂点の形を整形する「すり合わせ」と言う作業が必要になります。

すり合わせは自分でやるかたもいますが道具を購入しなければならないですし、初心者は精神的にハードルが高いでしょう。

削りすぎたら戻せませんが絶対できないとは断言しづらいでしょう。

しかし、すり合わせをしたあとも削れが進んだりすでに削れた量が甚大な場合はフレット自体の交換が必要になります。

フレット交換は自分でやるには相当難易度が高く道具も技術もより専門的になり、初心者が自分で行うのは実質不可能だと思います。

フレットを購入してきてギターに合わせてカット、元のフレットを抜き、購入したフレットの整形、打ち込み、細部処理、トップの整形と作業量が多く技術も要ります。

弦が錆びたら即フレットが交換必須なほど削れる訳ではありませんが、大切に扱うのに越したことはありません。

ギターのフレット

②弾きにくい

次のデメリットは弾きにくさです。

サビが明らかに浮いている状態はざらざらしていて指をのこぎりで曳かれている様です。

しかしそこまでいかなくても滑りが悪くスライドやグリッサンドと言った奏法がしにくい欠点があります。

さらに問題は日常的に滑りの悪い状態で練習しそれに慣れてしまうと、交換して滑りが良くなると滑りすぎて弾きづらく感じてしまう事です。

大抵、ライブやレコーディングなど大切なイベントには新品の弦で臨むと思いますがそういう本番時にミスが連発してしまう事になります。

後程述べる音の面でも練習と違うという違和感を助長します。

ギター演奏

③チューニングが狂いやすい

ギター弦の寿命は張って音程が安定するまで意図的に伸ばし、伸びきるまでの間と言えます。

伸びきってしまうのなら安定するかと言うとそうではなく、長い弦の箇所のよって伸び率が違いまた状態も安定した状態とは言えません。

そのため、寿命を迎えた弦は音程が狂いやすく頻繁に調弦を繰り返したあげく一曲演奏を完走させることも困難になります。

弦自体の不安定さから来ている為本体の、例えばブリッジ等の調整ではどうにもならず、伸びた弦を張った状態での調整は却って適正な状態から遠のきます。

ギターのネック

④音が悪い

ここだけは好みで、寿命を迎えた弦(死んだ弦、などと言ったりします)の音の方が好きだと言う人もいます。

個人的な意見になりますが張りたてはきらきらして高音を多く含む音質で、寿命に近づくほどこもった音になります。

また、音の伸びも悪くサステインも短くなります。

サウンド面単体で言えば、高音は出れば良い訳ではなく耳に痛いと言う人もいますし、サステインが短いという事はカッティングのキレの良さにつながります。

しかし個人的には上記①~③のデメリットとバーター出来ていないと思いますし、音質が最重要なファクターの一つである事は間違いないですが、④の点こそ調整で好みに近づけた方が良いと考えます。

死んだ弦の音が好きな人はコーティング弦のデメリットと言われる点が正にその点ですしサステインについてもある程度は調整できる部分です。

ギター演奏

以上の点から初心者の内は安い弦を頻繁に換える、または長寿命のコーティング弦を使う事を強くお勧めします。

また最初は弦交換自体うまくできるか不安で交換に及び腰になる事もありますが、弦交換の失敗によってギターに取り返しのつかないダメージを与えることは無いので、多少巻き方が不格好でも臆せずチャレンジしてみると良いと思います。

安い弦を頻繁に、と書きましたが安い弦とは6本500円くらいの弦です。

通販などでは同じ品が安くなっていますし、送料がかかると安く買えなくなりますので~円以上送料無料などの条件を良く読んで3-4セット同時に買う、お友達と共同購入する等すると良いでしょう。

交換の目安は汗や練習量によります1か月程度かと思います。他のサイトでもそのくらいをお勧めしている人が多いと思います。

批判を承知で言いますと頑張っても2か月では交換してください。

また1セット250円くらいの激安弦も存在しますが、寿命が来るのが早く、コスパはかえって悪いと思っています。

でもどうしてもお小遣いが少なくて使用せざるを得ない時は長くても1か月が限界かと思います。

ちなみにこのクラスの弦は3セットパッケージだとさらに安いのでピックアップ交換など音出し後すぐ弦を切る様な時様にストックしています。

1番のおすすめはエリクサー等のコーティング弦です。

さびにくく長寿命で、1500円前後ですがコスパは良いです。

音の良さを追求している人はコーティング弦でも2か月で交換などと書かれていますが3~4か月張っていても良いと思います。

厳密には音は劣化しますが、非コーティング弦を張っている時の劣化速度よりだいぶましだと思います。

先に述べた古い弦を使用し続けるデメリットを考えれば初心者のうちはコーティング弦を使い、耳が肥えて音質に不満を感じる事があればノーマル弦を視野に入れるくらいの方が練習に支障をきたさないのではないかと思います。

最後に

私は通常の調整だけでなく木部以外のリペアやパーツ交換なども行っている為、知り合いの学生の方から修理や調整を頼まれることがあります。

調子が悪い、音がおかしいと持ち込まれる楽器は、まず弦がとても古いです。

私自身も学生の頃はお金が無い、他にも楽しい事に使いたい、どの程度が弦の寿命かわからない、田舎なので頻繁に弦を買えない、等で今思えばあり得ない状態の弦を使用していましたので、ギターを持ち込んでくる方たちの気持ちもわかります。

でもうまくなりたいのならば「まだ使える」と思っても多くの先人たちの意見を少しだけ取り入れ、上記の期間で頑張って弦を交換してみてください。

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