28.◎エレキギター初級 ~ギター本体の他に買うべきもの(必需品)

ギターの購入を決めたときは他に必要なものを検索すると思います。

しかし必要か否か以外にもギター本体と同様にどのレベルの品質のものが必要なのかはやってみる前はなかなか判断が付かないと思います。

今回はギター本体以外の、購入した方が良いものやその考え方や基準を始める人の状況も踏まえて私見ですがお話ししていきたいと思います。

構成は品物、理由、どういうものを買うべきか、です。 今回は必需品編です。

ギター購入時に必要とされているものの中でも特に必須と思うもの、その理由を述べていきます。

◎ギターアンプ(4,000円くらい〜上限なし)

必要なものの筆頭です。

ちなみにオーディオでは増幅装置をいいますがギターの世界ではスピーカーを含めたシステム全体を指すことが多いです。

アンプとスピーカーがセパレートになっているものでもスピーカーを含めて「アンプシステム」といったニュアンスで「アンプ」と呼ぶ場合があります。

ギター自体はフォークギターほどではありませんが一応本体からも弦の鳴る音は聞こえますのでそれで練習できそうな気がしますがまず不可能でありまともな練習はできないと思って下さい。

理由は

・エレキギターをアンプ無しの音(生音(なまおと)と言います)で演奏する機会が無い

なので生音で練習する意味がないです。

機会が無いということはいつかアンプを通して演奏する機会が来るということです。

・タッチミスのノイズなどがわからない

=アンプを使って弾いた時にまともに聴ける演奏レベルに達してない状態になる

生音は非常に小さく、タッチミスのノイズや不要弦がミュートできていない時の余分な鳴りなどはほぼ聞こえない為出ていても気づかないと思います。

そのため生音のみで演奏できる曲をマスターしたとしても本番でアンプにつないで演奏したときに聞くに堪えない演奏になりかねません。

・アンプを通した音ありきのテクニック(ブリッジミュート、スイープ、ピッキングハーモニクスなど)が習得できない

これらはアンプからの音が前提のテクニックなので習得はほぼ不可能かと思います。

ハンマリングオン、プリングオフも難しいですができなくはないかもしれません。

しかし音の加減が難しいと思います。

・アンプの使い方をマスターできない

ギターの演奏は技術だけでなく、かっこいい音にセッティングする「音作り」が必須スキルになります。

アンプの使い方がマスターできてないと本番いきなりで望む音を得られる可能性は低いでしょう。

以上の様にアンプはギター本体と同時に買うべき超必須アイテムです。

ただし高価なアンプにすれば良いという訳ではありません。

スピーカー付のものからヘッドホンオンリーで場所も取らず値段が安いものまで様々な製品がありご自身の環境で使用推奨アンプが異なります。

●シチュエーション別おすすめアンプ

これからお勧めするどのアンプでも、AUXかBluetooth機能が付いたものがおすすめです。

最初から「オリジナル作曲一択でアーティストの演奏など他の音源と一種に演奏する予定は全く無い」などの鋼鉄の意思を持った人以外は強くお勧めします。

自分の演奏が聴きづらいですがまずは楽しく演奏するのが最優先と考えます。

精緻な練習は別途行いましょう。

a.まわりに楽器をやっている人間がすでにいてバンドを組む予定

a-1その環境のなかでも都会に住んでいてどの友人の家でも音を出すことが出来ず学校などでもアンプの音を出す機会が無い人は、普段は家で練習して集まる機会があってもスタジオを借りて入るという状態になると思います。

スタジオにはアンプなどは設置されており部屋を借りる料金に含まれていますのでスタジオ以外で鳴らす機会が無いのであれば下のc. 自宅では音を出すことは難しく外に出て引く予定もない項目を参照してください。

a-2 自分の家や友人の家、学校の部室など、ある程度の音を出せる場合この場合はある程度の大きさのアンプが必要になると思います。

大きさとは筐体の(物理的な)大きさではなく音の出る大きさ、ワット数です。

厳密な見方ではないですが大きいワット数のほうが大きい音が出ると考えて大丈夫です。

ワット数は「大は小を兼ねる」ではなく大きいものを小音量で鳴らしても本領発揮が出来ませんので適当な大きさを選ぶ必要があります。

教室程度の広さでドラム無しなら10ワットもあれば十分ですが生ドラムもいる環境だとトランジスタアンプで40ワットはないとドラムにかき消されると思います。

少なくとも20ワット以上ですが、音が割れてもヴォリュームを目いっぱい上げるといった使い方になると思います。(ワット数は個人の感想です)

また資金に余裕があれば「モデリングアンプ」を買っておくとエフェクターという音色を様々に変えるアイテムが無くてもいろんなジャンルにマッチした音が出せるのでお勧めです。

モデリングアンプとは様々な有名アンプをシミュレートした音を鳴らせるアンプでたいていは数種類のアンプをセレクトして出力出来ます。

「自分はジャズしか弾くつもりがないしジャズっぽい音さえ出れば良い」など目的がはっきりしている場合以外はモデリングを選んでおくとジャンルの興味が移ってもある程度対応できます。

ただしある程度の上位機種でないと曲の途中で音色を変えることはできないので(フットスイッチ対応機種であればセッティングしたプログラムを呼び出せる)あくまで多音色はお試し的に捉えてください。

a-3 バンド上級者に誘われていて弾けるようになったらライブをする予定

あまりない状況ですがないとも言い切れません。

この場合は周りは経験者でしょうから予算を伝えた上でどの程度の会場(「箱」などと呼びます)で演奏するかによっておすすめアンプを聞いてください。

ミニアンプなどを購入して本番はレンタルにする、など色々な手段があります。

b.自宅で音を出せる環境

どの程度の音量や部屋のつくりを「音が出せる」というかですがアパートやマンションの場合、「テレビや話し声が普段から聞こえない程度の防音レベル」で「アンプシミュレータを使用」するのであれば音出し練習は可能だと思います。

防音レベルに加えてどの程度の音を出せるかですが、通常の形態のアンプだと音をある程度出した状態を想定して作られているので防音上問題ないレベルまで音量を下げると迫力ある音から遠ざかりしょぼいスカスカな音になりがちです。

アンプシミュレータであれば出音のカッコよさを保ったまま音量が下げられるので自分のテンションを下げずに練習できます。

またローランドのキューブシリーズの様に音を下げても音質を保つ「パワースクイーザー」という機能が付いた機種もあります。

キューブシリーズはアンプシミュレータ機能も付いておりおすすめです。AUXも付いています。

c. 自宅では音を出すことは難しく外に出て引く予定もない

この場合は通常のアンプにヘッドフォン使用でもよいですが「ヘッドフォンアンプ」も選択肢に入ります。

ヘッドフォンアンプとはアンプからスピーカーを無くしたような構造で本体から音は一切出ずヘッドフォンやイヤフォンが必須となります。

百均のイヤフォンなど、非力すぎると音が割れて快適に使えません。

なのですでにヘッドフォンを持っているのでなければヘッドフォン代もかかることになります。

汎用性は非常に乏しいですが安価で購入でき音もなかなかで音を変化させるエフェクト機能が付いたものもあります。

しばらくは一人で弾くのみな場合は十分でしょう。

おすすめはVOXのamPlugシリーズです。

アンプシミュレータではありますが安価な分シミュレートしているアンプの種類は1種類で違う音色が欲しい時は別な機種を買わねばなりません。

しかし新ヴァージョンはエフェクトの種類も9種類に増え筐体のチャチさを気にしなければかなり使えると思います。AUXも付いています。

ヘッドフォン出力にスピーカーを繋げば音を実際に出すこともできます(専用のスピーカー(キャビネット)も販売されています)

筐体本体にプラグが付いた構造の為、操作がややしづらいのですが、

ギター

→シールドケーブル

→エフェクター(トゥルーバイパスのもの)

→amPlug

→ヘッドフォン

とつなぐと操作性がアップします。

この場合のエフェクターは音を変える目的ではない為オフにして使いますのでどんな機種でも良いです。

ただしトゥルーバイパスでない機種(バッファードバイパス)だとオフにしても電源に繋がれていないと音がエフェクターを通過せず音が出ません。

最近は通販で売っているような中国製コピーエフェクターでもトゥルーバイパスのものが多くなっています。

◎シールドケーブル(700円位から)

通常は略してシールドと呼びます。

品質はピンキリですが最初は安いもので良いです。

しかし思いのほか断線しやすく断線した場合1本しかないとその後は演奏が出来ません。

のちのちエフェクターも買うことになるので安いものを2本買うと良いですが最低1本でも問題はありません。

こちらもバンドなどをする予定の人は集まって練習中に断線したりすると、後で安い通販で買うなどが出来ずその近くで定価で買わざるを得ないといったことになりかねませんのでやはり2本常備しておくことをお勧めします。

高いものでも扱いが悪ければ断線はしますので安いものでも丁寧に扱う癖をつけると良いと思います。

ちなみにどんなに丁寧に扱ってもシールドは基本的には消耗品ですので徐々に劣化していき寿命があります。

◎ピック(100円くらいから)

爪でも弾けますがアンプと同じくこれなしでは成立しない演奏法があります。

また爪や指ではピッキングの強弱によるニュアンスの付け方などで不利になります。

具体的には強ピッキングの上限が低くなりますので表情付けの幅が極端に狭くなります。

ピックは高価なものもありますがたいてい100円から150円くらいです。

中古が仮にあっても新品を買いましょう。

ピックは種類によって削れやすさが違います。

見た目ナイロンのような素材(ナイロンやポリアセタール、カーボネイトなど)は削れにくく、プラスチックのような見た目のもの(セルロイドなど)は削れにくいです。

PPSやPVC素材の様にナイロンっぽい見た目でも削れやすいものもありますが削れたものはアタックのポイントが変わってきます。

始めたばかりの内は削れた状態に慣れてしまわない様に新品を使いましょう。

とは言っても、初心者の方が中古のピックを見つけた場合に安いという理由だけで買わないように促したかっただけで、上達していけば様々なピックを試したくなるので中古のピックがもしあってもそれを買って使うという状況にはほとんどならないと思います。

私の家にも一度しか使っていないピックが山の様にあります。

◎チューナー(700円くらいから)

正しい演奏は正しいチューニング(調弦)から。

音が狂った状態で曲を覚えても何の意味もありません。

チューナーも精度など見るべきポイントはありますがとりあえず最も安価なもので問題ありません。

非常に安いのと、最初から耳を鍛える目的で音叉(おんさ)を買うという選択肢もあります。

定価でも300円ほどです。

耳を鍛えるという観点では間違いではないですが初心者のうちの正しい音程が身に付いていない場合やオクターブ調整などのセッティングでの使用なども考えてチューナーはあった方が良いです。

いずれにしても音を合わせるための基準を出すものは何かしら必ず必要になります。

◎今回は本当に必要最低限のツールについて記述しました。

とりあえずこれだけあれば練習は出来ますのでギター本体とアンプを主軸に検討されてみると良いと思います。

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