20.◎エレキギター初級 ~オクターブチューニング

セミアコ Uncategorized

ギターを弾いているとチューニングをしっかり合わせているはずなのにハイフレット(高い音程側)の音が微妙にずれている時があります。

全部の弦が一律でずれていれば違和感は少ないですが他の楽器と合わなかったりしますし、1本から数本だけがずれていたりずれ方が弦ごとにまちまちだったりするとコードが気持ち悪い音になります。

この状態を緩和する為オクターブ調整(チューニング)を行います。

音程を合わせるチューニング(調弦)と違い、本体のセットアップにカテゴライズされる作業です。

◎事前の確認事項

今までオクターブ調整をしたことがなければ確認作業を行う方が良いですが、以下の場合はほとんどの場合調整が必要になります。

●弦のゲージを変えた時

●弦高を変えた時

●ネックの反りを修正した時

ゲージ(太さ)や弦高を変えた場合やネックの反り修正後もオクターブの調整が必要になります。

●パーツ交換をした時

サドルなどのブリッジまわりやナット、ペグなどに手を加えている場合オクターブがずれてしまっている場合があります。

◎また次の場合はオクターブ以外原因の場合がありますので各項目を確認してみてください。

●弦が古い

古い弦は振動が安定せずチューニングなどすべてにおいて不利になります。新品の弦に交換してから確認と調整を行います。

●弦の巻き方が適正でない

巻き方がぐちゃぐちゃな場合はもちろんですが巻き数が多すぎたり少なすぎる場合もチューニングが安定せずオクターブピッチも合わない原因になります。

弦の巻き方の悪い例
巻き方が一定でないとチューニングが不安定に

●パーツが原因

ブリッジコマのミゾ、裏通しタイプの弦ホール、ナットのいずれかの滑りが悪い場合もチューニングやオクターブピッチの不安定さにつながります。

●品質の低い弦を使用している

意外と各ピッチが安定しない原因です。

あまりにも安い弦は使用しないようにしましょう。

◎必要なもの

●チューナー

精度が高いものが望ましいです。

●サドルを動かす道具

ギターの機種によって異なります。

特に米国産のオールドモデルのリファイン品はマイナスネジになっているものも多いですが、製造時期によって違っていたりモデルチェンジしていたり、モダナイズされたコピーモデルはプラスネジに変更されていたりします。

このため、「レスポールだからブリッジコマ調整はマイナスドライバー」と言い切る事はできませんのでご自身のギターのブリッジをよく見て道具をご用意ください。

主な機種とその道具(例外もあります)

ストラトタイプ;+ドライバー

レスポールタイプ;-ドライバー

FRT付き;ヘックスレンチ

また、レスポールスぺシャルのオールドモデルや3ウェイブリッジ搭載のテレキャスタータイプの様にオクターブ調整が限定的な機種もあります。

テレキャスターのブリッジ
2本の弦を1つのサドルで共有するタイプ

◎実践編

●基本的な順番としては

ネック調整(ロッド調整)

→弦高調整

→ピックアップの高さ調整

→オクターブ調整です。

実際に行っていきます。

●基本的なチューニングをします

弦を張ったばかりの場合は良く伸ばし安定させてから行ってください。

●特定の弦の解放(なにも押さえない音)実音と、12フレットを押さえた実音を比べます

12フレットを押弦(おうげん)した実音と12フレットのハーモニクスを比べるやり方も紹介されていますが私は開放で合わせています。

そもそもの考え方は弦は指板表面から高さがある位置に張られている為、押弦すると下方向にシャープした状態になります。

これを補正するのが目的です。

●12フレットの実音の音程の方が低い場合はサドルをネック側へ動かす

●12フレットの実音の音程の方が高い場合はサドルをボディエンド側へ動かす

弦を張ったままでは動かしづらいので弦を緩めてからブリッジコマを動かします。

動かしたら再度チューニングをして、オクターブ調整を行います。

●全ての弦で行ったら完了です。

ふくろうチューナー
ぴったり合っていると気持ちがいい

◎最後に

フレットのある楽器の宿命として全てのフレットで音程が完璧に合う事は難しいです。

私の場合はハイフレットをよく使いますのでさらに微調整をします。

ご自身のよく使用する音域や演奏する楽曲、プレイスタイルによっても違ってくると思います。

まずは標準的な方法で調整してみてかご自身なりにしっくりくる調整法を見つけて行かれると良いかと思います。

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