38.エレキギター初級 ◎アンプでの音作りの基本

ギターアンプ Uncategorized

今回はアンプを使っての演奏の際音の作り方の解説です。

最も大切で基本的なことは

ギターの音色はツマミの位置ではなく耳で作ること」です。

この基本を踏まえて以下ご解説をしていきたいと思います。

◎目次
◎ギターアンプの概要
◎各部の意味
◎音作りの基本
◎「音は耳で作る」

ギターの運指やコードなどを覚えるのがひと段落して自分の演奏をある程度客観的に聴く余裕が出来てくると気になるのが「アンプからの出音」です。

機材が違うとはいえアーティストの音源で聴くようなカッコイイ!と思える音を出すのにはどうしたら良いのでしょうか。

一般的には機材の違いと言われていて「○○さんのような音を出すためには△百万円する□□のアンプと××のエフェクターを買わないとダメだ」などと言われています。

事実、プロの商売道具である機材が高額なものである確率が高いのは事実です。


しかしプロの同じ機材をそのまま借りて弾いても決して同じ音にはならないと思います。

弾く人間によって出音は明らかに違うからです。

始めて間もない初心者が試しに自分のギターをそのまま上手な人に貸して弾いてもらうと、自分のギターから出ているとは思えないカッコイイ音が鳴ると思います。


また商品化された音源はギタリストやバンドが出した音を録音し、商品化される際に再度エフェクトや調整をされている場合がほとんどでこの点が「同じ音を出す」ことの難しさを増す結果になっています。

しかし基本的な出音の傾向があるのは事実で出来るだけ近い機材を使った方が良いのは間違いありません。

少なくともシングルコイルのストラト系なのかハムバッカーのレスポール系なのかは合わせておいた方がより理想の音に近づけるでしょう。

出音の傾向はギターの種類・搭載されたピックアップ・アンプの種類が主な要素となりますが、冒頭にも申し上げた弾き手の腕・ギターの木材や造り・重量バランス・パーツの種類とセットアップ・シールドの特性・弦の種類・ピックの種類・消耗品の傷み具合・など機材側の要因のほか、建物の広さ・構造・壁材など影響する要素は山ほどあります。

アンプやエフェクターの種類によっては温度や湿度までが出音に影響する場合があります。

しかしアンプが関わる割合は非常に大きくセッティング方法の基礎を覚えておく事は理想的な音への第一歩です。

◎ギターアンプの概要

「ギターアンプ」と呼ばれているものの第一印象は一般の人から見れば「スピーカー」でしょう。

「アンプ」とは音を増幅する部分を言いスピーカーに当たる部分は「キャビネット」と言います。

コンボ(ビルトイン)とスタック

大抵の安価なギターアンプと一部の高額なアンプはこれらが一体となっていてスピーカーだけに見えてもアンプ部も含んだ見た目と構造になっており、このタイプは「コンボタイプ(のアンプ)」、または「ビルトインタイプ(のアンプ)」と呼ばれます。

これに対してアンプとスピーカーが分かれているものは「スタックタイプ(のアンプ)」と呼ばれます。

キャビネットに対しいわゆるアンプ部分は「アンプヘッド」または単に「ヘッド」、まれに「アンプ」と呼ばれます。

なので単に「アンプ」と言うとコンボタイプのアンプ全体、アンプヘッドのみ、ヘッドとキャビネット全部の3つのどれを指すのかということになりますがコンボアンプを目の前にして話している、アンプヘッドのカタログを見ながら話しているなど状況によって判断するか、話し手に何を指すか率直に尋ねてみましょう。

真空管(チューブ)式とトランジスタ(ソリッド)式

アンプの増幅部分の違いとして大きくこの2つに分かれます。

大抵のビギナー用のアンプは「トランジスタ(式)」または「ソリッドステート」とも呼ばれる形式です。

増幅器に電子部品を用い、安定した性能・故障に強い・やや金属的な音で温度など外部要因に影響を受けにくいアンプです

これに対して増幅器に古くからある真空管を用いたアンプを「真空管式(アンプ)」または「チューブタイプ(アンプ)」、「チューブアンプ」と呼ばれます。

古くはラジオなどに使われた真空管ですがウォームで太い出音から人気があります。

全体的に高額なものが多く、真空管の破損や寿命など扱いがデリケートなアンプです。

ソリッドステートのようなきれいなクリーンサウンドは得られにくく軽めのサウンドはやや苦手です。

音量の大きさの指標の一つに「ワット数」がありますがソリッドステートに比べて同じワット数でも音量が大きく太いです。

切り替えで4W~0.1Wを選べるアンプを使用していますが0.1Wでも教室くらいの大きさではボリュームをフルに出来ないくらいです。

ソリッドステート式では15Wでも対抗ないくらい音圧があります。

◎各部の意味

INPUT(インプット)

シールドケーブルを挿す入力端子です。ここにギターに挿したシールドの反対側を挿します。

エフェクター(エフェクトペダル又は単にペダルと呼びます)を使用する場合は基本的には

ギター → シールド → エフェクター → シールド → アンプ

となり最低2本のシールドが必要です。

エフェクターを2つ以上つなぐ場合は

(略) → エフェクター → パッチケーブル(ごく短いシールド) → エフェクター → (略)

となりエフェクターの数だけシールドの必要本数が増えていきます。

またこのごく短いシールドは「パッチケーブル」と言います。

VOLUME(ボリューム。MASTER(マスター)、MASTER VOLUME(マスターボリューム)などとも表記)

各部で作った音の最終的な音量を決めるツマミです。

ただしギターアンプの特性として音量を下げると歪み(ひずみ)成分も小さくなる傾向があります。

GAIN(ゲイン。マスターボリュームが「MASTER」と表記されている場合このツマミは「VOLUME」と表記されていたりする)

歪み(ひずみ)量を決めるツマミです。

○アンプによってはヴォリュームはツマミ1つで、他のボタンや切り替えスイッチで歪みを加える機種もあります。

TREBLE(トレブル。「HIGH」などとも表記)

高音域の調整です。上げていくと高音成分が強調されシャリシャリしたサウンドになり上げ過ぎると特にシングルコイルのギターでは耳障りな音になる場合があります。

MIDDLE(ミドル。「MID」と略される場合も)

中音域の調整です。

上げていくとファットでコシのある音になります。他のアンサンブルとの兼ね合い、特にボーカルの音域とかぶる場合がありますのでバンドの場合はバッキングとソロパートでの音色の使い分けを司るパラメータです。

BASS(ベース。LOWと表記される場合も)

低音域の調整です。上げていくと単体ではヘヴィな音になりますが前項と同じくベースとの音域の被りを回避しアンサンブル全体で判断します。

楽曲自体がヘヴィネスでもギターの音作りは意外と低音をカットしていたりします。

PRESENCE(プレゼンス)

「超高域」と呼ばれトレブルよりさらに高い音域です。このツマミ自体が無い場合も多いです。

他のトーンパラメータと違い最終的にアクセントとして少しずつ足していくような使い方です。

足していくときらびやかで華やかなサウンドになりますが上げ過ぎると喧しいサウンドになります。

○簡素な機種やミニアンプなどではトーンコントロールが上記4つではなくTONE表記のツマミが1つだけだったり(その場合はトレブル )、トレブルとベースのみなどの機種が多いです。

REVERB(リバーブ)

パラメータではなくエフェクトです。付いてない機種もありますがエフェクトの中で何か1つエフェクトが実装されている場合はリバーブが多いと思います。

お風呂場のような残響を加えて音に幅を持たせたりするのに使います。

切れの良い音や演奏ではカットします。

●その他

練習用のリズムマシンや本格的なエフェクト付きなど機種やグレードによって様々な機能が付いていますが基本的なものは上記のものです。

音作りの基本

手順

インプットにギターからのシールドを挿します。

各パラメータはゼロにします。特にマスターヴォリュームは必ずゼロにします。

これはレンタルスタジオ備え付けアンプなどを故障させないために癖づけてください。

トーンパラメータのメモリは全て中央値(0から10の場合は5)にする

※10が基本で下げ方向に音を作るアンプもあります

ゲインを少し上げる

※ゲインがゼロだとマスターを上げても音が出ない機種とゲインは歪み量のみに関与しゼロでもマスターヴォリュームを上げれば音が出る機種があります。

マスターをお好みの音量まで上げる。

●基本的な音だしまでの手順は以上です。

●演奏を終えてスイッチを切るときも必ずヴォリュームはゼロにしましょう。

スイッチオンの前にヴォリュームをゼロにする事はスピーカーの破損予防の為に徹底してください。

また音量を上げたままギター本体側のシールドを抜く行為もスピーカーの破損につながりますのでやめましょう。

●各トーンコントロールは、1つずつ極端に上げ下げして音を出してみてどのツマミを回すとどの音域が変わるのかを把握するとその後の音作りがしやすいと思います。

ゲインの使い方のコツ

ゲインが歪み量で最終音量がマスターなのは間違いないですがファットなクリーンを作りたい場合はマスターを上げてゲインを少しずつ上げる方法も試してみてください。

マスターを最終段階で音量調節のみのために動かすのではなく、ゲインとマスターを組み合わせて音を作っていくイメージでかなり音作りの幅が広がります。

機種によりますが歪み系エフェクターでもこの方法が有効な場合もあります。

●陥りやすい罠

ゲインを上げていくと自分が聴く分にはカッコイイ音ですがバンドアンサンブルの中では引っ込んで前に出てこない音になりがちです。

一聴して歪みの多いヘヴィメタルなども良くギターを聞くとそれほど歪ませていなかったりします。

どんどん歪みを上げて行ったり特定のトーンを上げていった場合は一度立ち止まって上げたパラメータを下げてみると良い結果になることがあります。

また友人と一緒の場合はギターをそのまま貸して弾いてもらって聴いてみましょう。

アンプの前に立って自分で弾くのと立ち位置などの環境が同じでも不思議と客観的に聴けるようになります。

「音は耳で作る」

冒頭でも述べました「音は耳で作る」。

各ツマミは練習後にはゼロにして再度始める時はゼロからツマミを調整することをお勧めします。

音作りを一生懸命頑張ってカッコイイ音が出来ると、ついツマミをそのままで片付けたりします。

スピーカー破損防止でゼロにするのはヴォリューム系なのでトーン系はなおさらそのままのセッティングにしがちです。

しかしチューブアンプの様に環境やアンプ自体のコンディションで音が変わる場合や、同じアンプでも狭くて残響の多いところで弾くのか広いホールで弾くのか、ギターが弦切れなどで借り物のギターを使うなど環境は常に変わる可能性があります。

その時「普段の音と違う!」と思っても普段からゼロから弄る練習をしていないとどこをいじると改善されるのかが全くわかりません。

放置したままのセッティングで弾いていると、何かがぶつかったり誰かが触ったりしてツマミの位置が変わると前のセッティングがわからなくなったりします。

また自分の気分や周りの雰囲気で音作りが変わる(変えたくなる)事も多々あります。

それらの時のために毎回セッティングをし直し自分の思い描く音を瞬時に自在に出せる訓練を普段から積んでおく事は将来の音作りスキルを格段に高めるでしょう。

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