前回までの記事でパーツや部材の名称を何気なく使っていましたが初心者向けを謳っている当ブログで各部の名称の解説を最初にやるべきであったと思いました。
ギターパーツや部位は独特の呼び方や略称、通称などがあります。
メンテナンスの記事などを読む際に覚えて置くと理解がスムーズかと思います。
早速各部の解説に入ります。
◎大まかな部位別け
本体はボディと呼び構造や素材に関しては前回の記事でお話ししました。
ボディから伸びた棒状の部分はネック、日本語で竿(さお)と言いギターと言う楽器の主な特徴である部分です。
ギターはネックがあるがゆえに「有棹撥弦楽器(ゆうとうはつげんがっき)」に分類されます。
棹(さお、ネック)が有る、弦を弾(はじ)いて音を出す楽器という意味です。
弦を持つ「弦楽器」のうち弓などで擦(こす)って音を出すヴァイオリンの類は「擦弦楽器(さつげんがっき)」、ハンマーで叩いて音を出すピアノなどは「打弦楽器(だげんがっき)」そして指やピックで弾いて音を出すギターは「撥弦楽器(はつげんがっき)」となります。
カタイ話しはさておきギターの造りを最低限の構成で説明しますと
●ボディにネックが取り付けられています
●ボディにブリッジが有り弦を固定しています
●弦はヘッドの方向に向かって張られネックを通りナットをまたぎペグに巻かれ調弦されます。
●ボディには弦振動を電気信号に変えるピックアップとその出力のための回路があり、電気信号はジャックを通してシールドケーブルを通りアンプで増幅されスピーカーから音が出るという流れです。
◎各部詳細
◎ブリッジ
エレクトリックギターにおいてはほとんど金属製です。
楽器全体では「ブリッジ=駒(こま)」と呼びますが、エレキギターでは「駒」というと後述の「サドル」を指して言われることがほとんどです。
ブリッジは2点間に張られた弦の後端を担います。
レスポールタイプの様にブリッジ機能と弦の固定の部分を別パーツ(「テイルピース」=「緒止め(=おどめ)」)にしている機種もあればレスポールスペシャルの一部の様にテイルピースがブリッジやサドルなど全てを兼ねているものもあります。
弦は大抵はサドルの上に乗っており、サドルはオクターブピッチの調整用(過去記事20参照)に可動するようになっています。
ストラト系のブリッジには「サステイン(=イナーシャ)ブロック」という金属の塊が取り付けられていて質量の増加によるサステイン向上を担っています。
ブロックには「トレモロスプリング」がかけられ連続した音程変化を可能にしています。
この「トレモロスプリング」はパーツの名称として定着していますのでFRT(フロイドローズ)タイプのブリッジに付けるものも「トレモロスプリング」と呼ばれます。
材質や質量は数種販売され音色をコントロール出来るとされています。
●ブリッジの名称
ストラトタイプは「シンクロナイズド トレモロ ブリッジ」という種類が取り付けられており「アーム(=アームバー、ビブラートレバー)」を操作する事により音程を一時的に変化させることができます。
レスポ―ルタイプは「T.O.M.(チューン・オー・マチック)」と改良タイプの通称「ナシュビルタイプ」、テイルピースがブリッジを兼ねた「ストップテイルピース」があります。
他のタイプのギターもブリッジのパーツ構成にサドルがあり弦を支えているのが基本的な構造になります。
内部構造については前回の44、45でお話ししていますがヴァイオリンなどでトップ面の天板と背面の底板を繋いで共振を得るための「魂柱(こんちゅう)」という仕組みをエレキギターに採用したものが、世界市場最大手メーカーが発売しています。
続きます。
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