48.エレキギター初級 ◎各部の名称(2)

guitar Uncategorized

ギターパーツや部位は独特の呼び方や略称、通称などがあり、メンテナンスの記事などを読む際に覚えて置くと理解がスムーズかと思います。

47の続きです。

◎ボディに取り付けられたパーツ

◎ピックアップ

ギター弦の音を電気信号に変換し出力するパーツです。

乗せ換えるとわかりやすくアンプからの出音が変わり、コンセプトや出音の狙いも様々におそらく最多のリプレイスメンが存在するパーツです。

●シングルとハム(=ハムバッカー)

6つ(弦の数)の突起があり「ポールピース」と呼ばれます。

ポールピースが6本並ぶ幅のものを「シングルコイル(ピックアップ)」シングルが2本並んだ様な形のものは「ハムバッカー(ピックアップ)(ハムと略)」と言います。

「はむばっかー」は発音しにくいので音的には「はんばっかー」という発音になると思いますがその発音のまま表記している記事や解説もあります。

しかしシングルのノイズ(「ハムノイズ」)を除去するものと言う意味のハムバッカーなのでそちらが正式な表記・発音です。

ハムバッカーはシングルコイルのノイズを無くす目的で作られたピックアップで見た目通りシングルが2つ繋いであります。(製品としてはバラせるようにはなっていません)

まれに旧機種やオーダーなどでハムバッカーに見えて本当にシングルコイルを2つ並べて搭載しているギターがあります。

まず流通していないと思いますがピックアップの高さ調整ネジがボビンごとに有ればシングル並列だと思います。

こういった機種はスイッチ切り替えでシングルコイル並列にしたり2つのピックアップをブレンダーでミックスしたり変わった機能が搭載されていることが多いです。

ミニハムバッカー(=ミニハム)という一回り小さいサイズのハムバッカーもあり有名な搭載機種はギブソン社のレスポールデラックスやファイヤーバードです。

数は多くありませんがシングルコイルピックアップ搭載ギターのスペースにハムバッカーピックアップを搭載する目的でシングルコイルの幅のままで上下にコイルを重ねてハムバッカーにした「スタックタイプ」や、細いボビンを2つ並べてシングルサイズでダブルコイル化したハムバッカー「ダブルブレードタイプ」があります。

スタックタイプの有名なものはギブソン社のP‐100で見た目はシングルコイルのP‐90と全く変わりません。

「ダブルブレードタイプ」は見た目でハムバッカーと分かりますが狭い面積にコイルを2つ配置していますのでポールピースは通常の円柱形のものではなく例外なく細い板状のブレード型になっています。

●スタガードタイプポールピース

ポールピースはシングルコイルではそれ自体が磁石でありハムバッカーでは磁石の上にポールピースが乗る構造です。

シングルコイルのポールピースにはオールドモデルのリイシュー的なスタガードタイプとフラットタイプがあります。

スタガード(staggered)とは「交互の」「互い違いの」という意味でポールピースの頂点が凸凹しています。

これは弦振動のエネルギーの違いをピックアップ側で調整する目的で採用されたものです。

しかし現代ではフラットなモデルが一般的となっています。

現在のエレキギター弦は4~6弦が「巻き弦」1~3弦が「プレーン弦」ですが初期のエレキギターは3弦も巻き弦でした。

弦は外径で太さを現している為巻き弦は芯線が細く、芯線で見ると3弦は最も細い弦で振動エネルギーも少なかったためピックアップの3弦のポールピースを高くする措置が取られました。

現代では3弦はプレーン弦であるため芯線としてみれば4弦より太いことになります。

しかしスタガードタイプのポールピース搭載のピックアップのほとんどはオールドの復刻モデルな為に、弦の太さの現状に合っていないのですが3弦が高いポールピースが採用されています。

●ポールピースの形状

ハムバッカーピックアップは大抵の機種が6本×2列あるポールピースの片側のみがマイナスネジやヘックスネジでの可動式になっていますが安価なモデルだと両方(12本全部)が固定式のものもあります。

また12本のポールピース全部がヘックスで可動式のスパルタンな見た目のモデルもあります。

ネジ式のポールピースのほか「バータイプ(ブレードタイプ)」やピックアップと一体になった特殊なタイプもあります。

しかしどんな形にせよポールピースが弦振動を拾う第一番目のパーツであることは変わりません。

メーカーによってはポールピースの表面上見えている部分が違ったりカバーの形がかわってるものもありますが基本的な構造は同じです。

●ピックアップのボビンの色

ハムバッカーピックアップ搭載のレスポールタイプで黒いプラスチック(ボビン)のものと金や銀の金属のピックアップが乗っているものとありますが金や銀の金属カバーのしたには同じピックアップが搭載されています。

黒いボビンがビンテージに倣ってクリーム色のものや、ハムバッカーの2つのボビンが黒とクリームのミックスのものがあり「ゼブラ」と呼びます。

固定ポールピース側のボビンがクリーム、可動ポールピース側がブラックのモデルが「ゼブラ」逆配置のものは「リバースゼブラ」と呼びます。

基本的に色の違いのみでビンテージの再現の目的や単なる好みでセレクトされます。

このゼブラの発端はボビンの着色剤の不足から出来たのですがそのお話しは割愛します。

ピックアップで最も面積の大きい「ボビン」にはメーカーロゴなどが印字されることも多いです。

ボビンの下にはエナメルワイヤーが数千回巻いてありピックアップ側面では露出しているものとテープを巻いて保護してあるものがあります。

ピックアップ交換や掃除などで外す際はワイヤーに触れて断線しない様に気を付けてください。

断線すると音が全くでなくなる場合もありますが全体的にはワイヤーが触れて通電はしますので、出力が非常に弱くなったりします。

修理は不可能ではありませんがワイヤーを数千回巻くという手間がかかるため高額であり現実的ではありません。

ビンテージの貴重なピックアップでなければ再購入の方が安く済むでしょう。

◎◎エスカッション

ストラトキャスタータイプ(ストラトタイプまたは単にストラト)のピックアップはピックガードに取り付けれていますがハムバッカーのギターは大抵「エスカッション」という主にプラ製の枠を介しています。

ボディのキャビティ内に触接ネジで留めてある「直付け(じかづけ)」タイプもありますが圧倒的にピックガードマウントかエスカッションマウントが多くなっています。

◎ピックガード

これがないギターもありますが弾いたときにピックで擦れた「弾き傷(ひききず)」を防ぐ目的で設置されます。上の画像で弾き傷が確認できます。

レスポールでは有名ミュージシャンの行いをまねて外すのが流行り本家ギブソン社でもピックガードは別添付してあり自分で穴をあけて取り付ける仕様で販売されたこともあります。

ストラトタイプはかなり広範囲をピックガードが覆っておりピックガードにサーキット(ピックアップその他電子部品一式の回路)と取り付ける仕様となっています。

ストラトをもとに現代版にアレンジした「モダンストラト」でもピックガードマウントのものとエスカッションマウントの両方が並存しています。

装飾的な意味も多分に有り面積の大きいストラトタイプではここの色が模様が違うとギターの外見の印象がかなり変わりますし好きなイラストを入れられる透明タイプなど様々なリプレイスメントパーツが存在します。

◎バインディング

レスポールタイプの1部に採用されているボディの縁取りを「バインディング」と言います。

ボディを傷からガードする目的ですが、1部機種ではネックの指板両サイドにも施され装飾的意味合いのほか演奏性の向上にも貢献しています。

レスポールカスタムではヘッド外周にも採用されておりこちらは装飾のみの目的です。

安価なギターでも採用されていますが本来は手間のかかる作業でかつては高級機種の証(あかし)でした。

次回に続きます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました