前回(41)は代表的な指板材についてお話ししました。
今回は指板材の代替材です。
◎ローズウッドの代替材(木材)
ローズウッドの規制は楽器においては不問となりましたが一時期業界を震撼させるニュースとして様々な情報や憶測が溢れました。
その際各ブランドやメーカーも商品の流通の根幹に関わるセンシティブな情報と重く受け止め代替材の使用は一気に加速しました。
エントリークラスのギター機種の中でも最下層機種は木材を明言せず「ホワイトウッド(注:木材の品種不明)」などとしていましたが大手でも自社内での都合も絡み代替材の使用が高級機種でも進んだ結果小売店やユーザーの危機感を過分に煽り、中古機種が高騰しました。
過去には取り上げられなかった時期や機種の国産メーカー品まで「ジャパンヴィンテージ」などと煽られ高騰していきました。
※この騒動以前からジャパンヴィンテージの言葉は存在しています。
某国産ブランドは特定の時期の商品だけがジャパンヴィンテージとよばれていましたが規制の話題の後は近年の機種までジャパンヴィンテージ表記で販売されていることに違和感を覚えたものです。
話題が逸れてしまいましたが条約強化騒動後一気に普及した指板代替材を紹介いたします。
◎パーフェロー(Pau Ferro)
見た目や硬さ、油分はローズウッドに近いものの密度が高くサウンドはエボニーに近いとも言われます。
以前からローズウッドの代替材として使用されボリビアンローズウッドとも呼ばれますがローズウッドとは全く別の木です。
代替材と言っても低級な木ではなく硬度や含油量による加工性の高さやサウンド特性から高級品にも採用されてきました。
どんな木材でも木材自体の質や木取りにより価格は大きく変わってきます。
もともと高級機種にも採用されていたパーフェローですが規制騒ぎの際に低級品がエントリークラスのギターに多く採用された結果、微妙な木材というイメージやサウンド評価が出来てしまった様です。
見た目の近さも代替材となった理由ですがローズウッドに比べて明るく薄い色合いで赤もが強い傾向があります。
また油分が少なくさらさらな手触りなことがわかりやすい特徴だと思います。
◎ウェンジ(Wenge)
色味は濃い褐色で木目も良いため家具の化粧板として使われていた材です。
硬度が高くサステインとアタックも良くネック材にも用いられます。
硬度が高くても加工性が良く資源も豊富な為代替材としてでなくとも優れています。
サウンド特性としてはローズウッドとエボニーの中間と評されています。
◎パープルハート(Purpleheart)
別名バイオレットウッドとも呼ばれる薄紫の木材です。
伐採した直後の褐色から紫外線によりきれいな紫色へと変色する為家具などに用いられてきた材です。
ローズウッドと同じ科の木で硬度は高く指板だけでなくネックやボディにも用いられます。
硬度が高いですが狂いが少なく加工性も良い木材です。
良好なサステインとエッジの立ったサウンド特性を持ちます。
その他オバンコール、ココボロなどエレキギターではあまり使われない材でもアコースティックギターでは用いられている材もあります。
木材の代替化は今後もますます進んでいくと思います。
次回へ続きます。
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