49.エレキギター初級 ◎各部の名称(3)

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ギターパーツや部位は独特の呼び方や略称、通称などがあり、メンテナンスの記事などを読む際に覚えて置くと理解がスムーズかと思います。

48(2)の続きです。

◎ボディに取り付けられたパーツ(続き)

◎ピックアップセレクター

主にレバー状をしていてピックアップのどれを有効にするかを切り替えるスイッチです。

レスポールタイプに搭載されているものは「トグルスイッチ」と呼ばれます。

これは正確には部品の名称であり役割としては「ピックアップセレクター」ですが慣例的にトグルスイッチと呼びます。

可倒式で、標準的なレスポールではRHYTHM(リズム)側にセレクターを倒せば「フロント(=ネック)ピックアップ」のみが有効になり「ピックアップセレクターをフロント(=ネック)ポジションにする(した)」と表現します。

TREBLE(トレブル)側に倒せば「リア(=ブリッジ)ピックアップ」のみが有効になり「ピックアップセレクターをリア(=ブリッジ)ポジションにする(した)」と言います。

真ん中の位置は「センターポジション」と言いフロントとリアが並列でミックスされた音が出ます。

並列なのでパワーが極端に上がるという事は無くフロントの太く丸い音とリアの鋭く高い音がミックスされます。

トグルスイッチの特徴は板バネによりセンターに戻る様に作られており、素早い操作と長所ととる人もいれば意図しないときに触ると位置が変わってしいやすい短所ととらえる人もいます。

実際後述するレバースイッチに比べて可動範囲が狭く切り替えに力も要らないのでこのような長所と短所が現われます。

ストラトキャスタータイプに主に搭載されているピックアップセレクターは「レバースイッチ」と言います。

普段は「ピックアップセレクター」で問題ありませんが機能面を話題にするときは「3点式レバースイッチ」又は「3way(スリーウェイ)レバースイッチ」か「5点式レバースイッチ」又は「5way(ファイブウェイ)レバースイッチ」と呼ぶことがあります。

オリジナルのストラトキャスターはシングルコイルのピックアップが3基搭載されていますが当初はフロント(ネック)、センター(ミドル)、リア(ブリッジ)の各ピックアップの切り替えの 3way のみでした。

後世に各ポジションの中間(フロントとセンターの間、又はセンターとリアの間)の位置で止めると独特の音が出ることが知られるようになり最初から中間位置に固定できるように作られた5way スイッチが開発され普及していきました。

中間位置の独特な音色は「ハーフトーン」と呼ばれストラトキャスタータイプでは代表的な音色の一つとなっています。

3wayスイッチはオールドタイプの忠実な復刻という意味合いだけでなくレバーの切り替えの簡略さを求めるプレイヤーやセンターピックアップをキャンセルした配線にしてフロントとリアのセンターポジションを求めるプレイヤーに使用されています。

前述のトグルスイッチとの比較ですが切り替えのストロークが長く、製品によっては動作が軽いものもありますが比較的動作は重めです。

トグルに比べてわずかにですが切り替えに時間がかかる点と演奏中にピッキングのストロークで手が触ってしまっても勝手に切り替わる率が低いことは言わばトレードオフの関係です。

リプレイスメントのメーカーによってはレバーでも切り替え動作がとても軽いものもあり好みでセレクトしてよい部分です。

トグルスイッチやレバースイッチには操作感を良くする目的でプラ製の「キャップ(トグルスイッチの場合は「トグルキャップ」とも)」が付けられていますがこちらも装飾的に多様な色や金属など異素材に変更するためのリプレイスメントパーツが販売されています。

機能は同じでもギターメーカーによっては異なる形のものが搭載されているものもありますが最も普及したパーツである上記2種のパーツは大半のギターに採用されています。

まれにピックアップが1つのみの機種やピエゾタイプという主にアコギで使われる振動を拾うタイプのピックアップが搭載されたモデルではセレクター自体が搭載されてない機種が有ります。

因みにピエゾ搭載エレキギターは本来のピックアップにピエゾの音色をミックスすることを目的としたものとピエゾのみの音を電気的に変換し様々なギターの音色をシミュレートさせる事ができる特殊なギターがあります。

◎ノブ

「ノブ」とはギター本体に付いているボリュームやトーンを調整するツマミ部分を言います。

これも簡単に変更出来て印象が変わるパーツなので人気のリプレイスメントパーツです。

これも機能的にはノブの下にある「ポット」と不可分のパーツですのでノブを指して(その下にあるという意味で)「ポット」当われることがあります。

このポットですがボリュームやトーンをフルでデフォルトの状態からカット方向にのみ調整が行えるパーツです。

9V電池(いわゆる角電池)を使用しプリアンプを駆動させる「アクティブサーキット」が搭載されたギターはカットのみではなくブーストができる機種もあります。

フルの場合は理屈上はギターそのものの音ですが実際はフルでもわずかに回路に電流が流れていますので音質は変化します。

これもあくまで好みですが調整できる利便性を捨てトーンや、ボリュームさえポットの配線をカットして使用するギタリストもいます。

ポットがフルの状態では回路に流れる電流を完全にカットできることを謳った商品も存在します。

交換の際は高額なのでまずポットへの配線をキャンセルしてみて好みの音色かどうかを確かめてから購入・実装することをお勧めします。

またエントリークラスのギターにおいてはポット交換も気軽なモデファイとして知られますが軸のサイズ(インチかミリ)、長さ、形(ローレット(ギザギザ)有り、スリット有り)など兼用できるものもあれば絶対に取り付けできないものもや最悪ギター本体の加工が必要なケースもありますので慎重に下調べをしてください。

ポット1つあたりは600円から1,000円でもレスポールタイプ用に4つも購入して無駄にすると結構な痛手です。

◎ジャック

ギター本体からアンプに音を出力させるためシールドケーブルを挿す為のパーツです。

ストラトタイプに採用される「舟形ジャック」や埋め込みタイプの「シリンダータイプ」などもありますが基本的に1機種1つで役割も同じですので「ジャック」の名称だけで十分です。

レスポールでは本体に取り付ける為の板状の部品は「ジャックプレート」と言いプラ製の割れやすいものから金属製に換られることが有ります。

このジャックの内側(シールドが挿される部分)はもっとも錆びやすい部分の1つです。

原因はシールドを挿す際についプラグを触ってしまうからで指油が付着したプラグがジャックに挿入され内部に油が間接的に移り酸化していきます。

ジャックはボディトップに付いているSGやセミアコなど以外では基本的に見えない部分に配置されている為手探りで探す際にプラグやジャック周辺を触ってしまいがちです。

酸化すると紙やすりで酸化膜を取る復旧法が紹介されることが多いですが、他のパーツと同様に剥がされたメッキは決して戻らず次の酸化が早まることになりいずれは交換することになります。

基本的には消耗品ではありますが長持ちさせるためにもプラグはクロスで良く拭きギターを構える前にジャックを見られる角度でシールドを挿入しましょう。

ちなみにジャックは「音の最終出口」なのでサーキットの配線、ポットなどのモデファイで「どれか1つだけ換えるならジャック」と言われています。

実際はジャックのみを換えて音質が劇的に良くなる可能性は低いですがそれだけ重要なパーツということです。

次回に続きます。

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